チャトゥチャック植木市とサボテンの輸出入規制の話【18年冬旅38日目】

東南アジア

2018年、年始の東南アジア旅行38日目の記録です。現在バンコクに滞在中。

今回は、チャトゥチャック植木市に行った話と、タイからサボテンを輸入する際の規制について書きます。

チャトゥチャック植物市の店舗が並ぶ様子

前回:フードコートの話と、船で行くワット・アルン【18年冬旅37日目】

チャトゥチャック市場へ移動

今日はチャトゥチャック植木市(植物市)へ行きます。

チャトゥチャック市場で開催される市といえば、ウィークエンドマーケットが有名ですが、水曜、木曜には植木市が開かれます。

様々な植物が展示・販売されるわけですが、筆者が特に見たいと思っているのがサボテン。

ちなみに、このブログのタイトルの「さぼ」はサボテンから取っています。

タイはサボテンの栽培が盛んだそうで、日本ではなかなか見られない珍しい品種のサボテンも出品されているとか。

しかも筆者が住んでいるのは日本の田舎なので、国内でもなかなか生のサボテンを拝む機会がないのです(自分で栽培しているものを除く)。

ということで、この市の存在を知ったときには強く興味をひかれ、行くのを楽しみにしていました。

さて、植物市が開催されるチャトゥチャック市場へのアクセスですが、近くに駅が複数あります。

MRTブルーライン(地下鉄)を利用する場合は、カムペーンペット(Kamphaeng Phet)駅。BTS(スカイトレイン)なら、モーチット(Mo Chit)駅が最寄りです。

また、2018年の訪問時には未開業でしたが、タイ国鉄のクルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal)も比較的近い場所にあります。ただ、暑い中歩くには少々辛い距離かも。

筆者はエカマイの宿に滞在していたのでBTSを利用しました。エカマイ駅からスクンビット線に乗り、2018年当時の終点モーチット駅へ向かいます。

このとき乗った車両は調子が悪いようで、減速時にガクガクガクッと変な揺れ方をしたり、駅ではない所で突然止まったりしました。

乗っていて不安になりましたが、無事モーチット駅に到着。

BTSモーチット駅外観

駅から出て、列車が来た方向(南)へしばらく歩きます。

歩道橋からモーチット駅付近の道路を見下ろした様子

市場らしきものが見えてこないので不安になり、スマホ地図のGPS機能で確認。方向は間違っておらず、もう少し歩けば着くことが分かりました。

チャトゥチャック植木市を見学

チャトゥチャック植木市に到着。たくさんの出店者がそれぞれのスペースに売り物の植物を並べています。

チャトゥチャック植木市の様子

一般的なお花の苗が並べられていたり、

チャトゥチャック植木市で道に並べられている花

色とりどりの蓮の花が売られていたり。

チャトゥチャック植木市で売られている蓮のような花など

塊根植物もありました。

チャトゥチャック植木市

筆者が見たかったサボテンも、複数の店舗で出品されていました。突然変異の色違いサボテンもたくさんあります。

チャトゥチャック植物市に出品されている色とりどりのサボテン

チャトゥチャック植物市に出品されている赤いサボテン

チャトゥチャック植物市に出品されている色とりどりのサボテン

チャトゥチャック植物市に出品されている緑のサボテン

サボテンの輸出入規制

植木市には、おもしろいサボテンがたくさんありました。購入して日本に持ち帰りたくなりますが、規制があるので簡単には持ち帰れません。

サボテンはCITES(サイテス、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約)の対象になっています。

他国に持ち出すには輸出許可書が必要になりますが、日本人観光客が個人で許可書を取得するのはハードルが高いようです。

カセサート大学付近にある政府機関「CITES Flora Office Thailand」というところに行って、手続きをしなければなりませんが、いろいろと条件があるようですし発行に時間がかかるという情報もあります。

どうしてもタイのサボテンを持って帰りたい場合は、許可書の取得までやってくれる植物販売業者を探し、そこで購入するのが無難だと思います。

とはいえ業者探しと交渉にはある程度の語学力が必要。ビジネスとしてやるならまだしも、観光客がお土産のためにやるには難易度が高いです。

なお、ワシントン条約には例外があります。袖ヶ浦や三角柱に接ぎ木された、突然変異の色違いサボテンは適用外なので、許可書がなくても輸出入が可能です。

詳細は、経済産業省ホームページからダウンロードできる「ワシントン条約附属書(植物界)」のpdf資料に書いてあります。興味のある方は参照してみてください。

・Harrisia ‘Jusbertii'(ハルリスィア「ユスベルティイ」)、Hylocereus trigonus (ヒュロケレウス・トリゴヌス)又は
Hylocereus undatus(ヒュロケレウス・ウンダトゥス)の台木により接ぎ木されたサボテン科(spp.)の色素突然変異体

引用元:
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/download/230223_revised03017_appendix_flora.pdf

ただ、ワシントン条約の適用外の植物であっても、別の規制があるので簡単には持ち込めません。

2018年10月1日から、輸出国政府機関が発行する検査証明書(植物検疫証明書、phytosanitary certificate)の取得が必要になりました。

これは日本国側の規制だそうです。タイで証明書を取らずに持ち込もうとすると、日本の空港で没収・廃棄されるとのこと。

証明書は、カセサート大学の検疫事務所に植物を持って行って、検査を受ければ取れるようです。

植物検疫証明書の取得は、CITESの許可書に比べればハードルが低そうですが、それなりの手間はかかるらしい。

ネットを検索してみると日本語での体験談も見つかるので、興味のある方は調べてみてください。

あと、日本に入国する際には、空港の植物検疫のカウンターに行き検査を受ける必要があります。検査を受けずそのまま持ち込むのは犯罪です。

情報を列挙したので分かりにくかったかもしれません。簡単にまとめると以下のようになります。

  • ほとんどのサボテンはワシントン条約の対象なので、タイから持ち出すには輸出許可書が必要。しかし、観光客が個人で取得するのは難しい。
  • 一部のサボテンはワシントン条約の適用外なので許可書は不要。しかし、日本に持ち込むためには、タイで植物検疫証明書を取得しておく必要がある。
  • 日本入国時には植物検疫カウンターへ行く

なお、ワシントン条約の輸出入規制の内容は、その植物がどの附属書に掲載されているかによっても異なります。

最も規制が厳しい附属書Ⅰの品種の場合、日本側の許可書も必要になるそうです。

本気で輸入を検討している場合は、経済産業省のホームページなどでよく確認することをおすすめします。

接ぎ木サボテンを購入

筆者がチャトゥチャック植木市を訪れたのは2018年2月でした。

規制が強化される2018年10月1日より前です。つまり、この時点ではタイで植物検疫証明書を取らなくても、日本に植物を持ち込むことが可能でした。

ワシントン条約適用外の品種なら、日本入国時の空港の植物検疫だけで大丈夫だったのです。

というわけで、ワシントン条約適用外となる、色素突然変異の接ぎ木サボテンを購入しました。台木は三角柱(Hylocereus undatus)。

接ぎ木サボテンの抜き苗

接ぎ木サボテンの抜き苗

日本に持ち帰る場合、お店の人にベアルート(bare root)と頼んで鉢から抜かれた状態で購入しましょう。

土を持ち込むことができないからです。

さらに購入後は根を洗って、土がいっさい付いていない状態にしておく必要があります。もし虫が付いていたらそれも除去します。

(タイで植物検疫証明書を取る場合も、土と虫を除去してから検査を受ける)

また、購入時には領収書を発行してもらいましょう。植物の品種、数量、値段が書いてあれば問題はないようです。

ちなみに筆者が購入した店には領収書用紙がなかったようで、メモ用紙に書いてくれました。

以上の準備ができれば、あとは日本帰国時に空港の植物検疫カウンターに行くだけです。

ところで、乾燥に強いサボテンや多肉植物はベアルートでしばらく放置しても大丈夫ですが、一般的な草花の場合は日本に到着する前に枯れそう。

どうやって輸入しているのか気になります。

チャトゥチャック植物市に出品されている緑のサボテン

あと、緑色の普通のサボテンにも素敵なのがいっぱいあるのに買って帰れないのは少々残念でした。

原産地ではないタイからの輸出が規制対象なのは不思議。

自生している個体ではない、人間が繁殖させ栽培している個体にまで輸出許可書を要求する理由が知りたいです。

スーパーで夕食購入

モーチット駅からBTSでエカマイ駅へ戻りました。

ゲートウェイ・エカマイ1階のMaxValu(マックスバリュ)にて、夕食の弁当と惣菜を選びます。

30バーツの「STIR FRIED PORK WITH」という品名の弁当と、35バーツの「SPICY CARAAGE」を購入。宿の部屋に電子レンジがあるので、チンすれば温かいのが食べられます。

「STIR FRIED PORK WITH」は、豚ひき肉の炒め物に目玉焼きご飯が組み合わされた弁当。WITHの後が気になりますが、たぶんFRIED EGGかな?

タイのマックスバリュの豚炒めと目玉焼き弁当

次に「SPICY CARAAGE」

タイのマックスバリュのスパイシー唐揚げ

「カーエエイジってなんだ!?」と一瞬思ってしまったけど、「唐揚げ」がローマ字表記されているだけでした。

マックスバリュは日本でもおなじみのイオン系スーパーなので、その関係でしょうね。日本風の食べ物だということをアピールする意味もあるかも。

きゅうり付きです。

なお、店内では日本語のアナウンスも流れていました。タイの人が日本語で喋っています。若干イントネーションが違うけど十分聞き取れるレベル。

一方の自分は全然タイ語がわからないから情けないぜ!

エカマイのあるスクンビットエリアは、日本人が多い地域だそうです。日本食の店もたくさんあります。

宿に戻って弁当をレンチンしたらフタが溶けてフニャフニャになりました。下の容器は大丈夫だったので、フタを外してチンすべきでした。

タイ語で注意書きがあったのかもしれないけど読めない……。タイ語に対応した翻訳アプリを使いたいところです。

弁当の味はとてもおいしい。変な添加物の味がしないし、フードコートで提供されている料理をそのまま容器に詰めたような感じ。

お惣菜にしてはやたらとクオリティが高かったです。値段以上の価値があると思いました。

バンコクの物価が上昇したといっても、計65バーツ(約230円)で上等な食事にありつけるのだから素晴らしい。

※2018年当時のレートを参考に、1バーツ=約3.5円で計算

タイは食品全般のクオリティが高いと感じます。コンビニのお菓子や飲み物にも外れがないですし。

 

今回はここまで。次回は虫下しを買った話と、ワットベンチャマポビットへ行った話を書きます。

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