ドンムアン発、関空行きLCCが遅延して深夜の帰国に【18年冬旅43日目】

2018年、年始の東南アジア旅行最終日(43日目)の記録です。

1ヶ月以上に及んだ東南アジア旅行もついに最終日。タイのバンコクから日本へ飛行機で帰るのですが……。

前回:日本大使館とバンコク銀行シーロム本店に行く【18年冬旅42日目】

朝、通知が届く

バンコクの宿から見た風景

朝起きるとスマホに不穏な通知が届いていました。なんと、乗る予定の飛行機が大幅に遅れるらしい。

こんな通知今まで見たことがなかったので驚きました。特別な設定をした覚えはないのですが……。

飛行機の予約メールをGmailで受け取っていたので、Googleの何らかの機能が気を利かせて通知してくれたのでしょうね。

さて、今回利用するのはLCCのタイ・エアアジアX。エアアジア・グループの長距離国際線に特化した会社です。

LCCはコストを抑えるためなるべく機材を遊ばせず、飛ばせる限り飛ばすスタイル。空港での余裕時間も短くしか取っていないので、前の便が遅れると玉突き式に後の便が遅れます。

そもそも予備機がなく、前の便が到着しないと飛ばせない場合も多い。

LCCの性質上遅延は覚悟していましたが、14:15出発便の遅延が朝の段階でわかるのはびっくりですよ。たった1機が日本とタイを行ったり来たりしているのかな?

LCCの機材繰りがどうなっているのか気になる。もし同じ機材を休ませず使い続ける場合、遅れがどんどん溜まっていって、最終的には24時間遅れになったりしないのか?

さすがにその辺りは対策されていると思いますが……。点検整備も必要でしょうし、どこかで機材の交代とダイヤのリセットは入りそう。

BTSとバスでドンムアン空港へ

長らくお世話になった宿にもお別れです。忘れ物がないよう隅々まで確認してから退室、チェックアウト。

バンコクの宿の部屋の様子

今回乗るLCCはドンムアン空港発。エアポート・レール・リンクが通っているスワンナプーム国際空港と比べ、交通アクセスが良くありません。

一般的にはタクシーかエアポートバスを利用することになります。

一応、タイ国鉄在来線のドンムアン駅はありますが、本数が少なかったり、遅延が多かったりとハードルが高め。どうしても鉄道に乗りたい方以外にはおすすめできません。

(※2023年現在はダークレッドラインが開業済みで、鉄道によるアクセスも容易になっています)

今回はBTS(スカイトレイン)とエアポートバスで向かいます。

まずは宿の最寄りのエカマイ駅からBTSに乗って、モーチット駅へ。先日ウィークエンドマーケットに行くとき使った駅です。

車内から戦勝記念塔を見た写真(↓)この辺りの線路は塔を避けるように曲がっているのが面白い。

BTSの車窓からの戦勝記念塔

モーチット駅到着。チャトゥチャック公園が見えます。

モーチット駅からチャトゥチャック公園の方を見る

改札を出たら歩道橋で道を渡り公園の方に降りる。3番出口の近くにバス停があります。

モーチット駅入り口

ドンムアン空港行きエアポートバスA1、A2のバス停。

チャトゥチャック公園近くのドンムアン空港行きバス停

チャトゥチャック発ドンムアン空港行きバス専用バス停

エアポートバスはノンエアコンの赤バスではなくエアコン付き。

ただし車両は一般の路線バスと同じなので、長距離バスのような荷物室(トランク)はありません。荷物を持ったまま乗り込みます。

車内は大混雑。大きい荷物を持っていると大変。

ドンムアン空港行き路線バスの混雑した車内

かつてはバンコクのメイン空港だったドンムアンですが、現在はLCC用空港みたいになっています。利用者に節約派が多いので安いバスに人気が出るのも納得。

運賃は30バーツ(約105円 ※当時のレート:1バーツ=3.5円で計算)

乗車中に車掌さんに払うのですが、これだけ混んでいると徴収が大変ですね。

エアポートバスは安いものの、混雑時の利用はそれなりにハードです。お金に余裕がある人や重い荷物を持っている人はタクシーのほうがよさそう。

 

モーチットを出発したバスは高架の有料道路に入ります。車窓では高架の鉄道路線が建設中でした。

建設中のダークレッドラインを高架道路から見る

SRT(タイ国鉄)ダークレッドラインというやつ。この路線には日本企業が関与していて、電気、信号、通信、車両を担当しているようです。

建設中のダークレッドラインを高架道路から見る

高架橋や駅の建設を行っているのはイタリアン・タイ・デベロップメント。ちょうどこの頃、社長が密漁の罪で逮捕されたというニュースが出ていました。

この路線は空港辺りまで有料道路に並行しています。途中にいくつか駅がありました。

建設中のダークレッドラインの駅を高架道路から見る

一部の駅はほぼ完成しているように見えます。

建設中のダークレッドラインの駅を高架道路から見る

※2023年現在、ダークレッドラインはクルンテープ・アピワット中央駅からランシット駅まで開業済み。ドンムアン空港へのアクセスに利用できます。

ちなみに将来的にはエアポート・レール・リンクもドンムアンまで延伸する予定だそうです。

ダークレッドラインはBTSと接続しておらず、エカマイなどからだと複数回の乗り換えが必要。一方エアポート・レール・リンクはパヤータイ駅でBTSと接続しているので延伸すると便利になりますね。

建設中のダークレッドラインの高架橋を見上げる

特にトラブルもなくバスはドンムアン空港へ到着。国際線用の第1ターミナル3階で降ります。

ドンムアン空港のバス停から去るエアポートバス

建物に入ると国際線の出発フロアです。

ドンムアン空港の出発看板

ドンムアン空港で出国準備

ドンムアン空港のターミナル内部は大混雑。聞こえてくるのは中国語ばかり。おそらく、春節の連休でやってきた中国の人たちが帰国するところですね。

ドンムアン空港第1ターミナル国際線出発フロア

この日の日本行き運賃は特に高くなかったため、春節のことは全く意識していませんでした。着いてみるとこの混雑だったのでびっくり。

空港の混雑を避けたいなら、春節や国慶節(10月1日)の連休からずらして予約するのがよさそう。

幸い、行き先ごとにカウンターが分けられていたので、筆者が乗るタイ・エアアジアX関空行きのカウンターは混んでいませんでした。

荷物を預けてから、出国審査に向かいます。

出国審査の手前のフロアにある像

国際出発看板

出国審査のレーンはかなり並んでいて待つのが辛い。ここは撮っちゃダメみたいなので写真なし。

パスポートチェックと手荷物検査を済ませて制限エリアへ。

ドンムアン空港の免税店

ちょっと残念なことがありました。空港に早く着きすぎたせいか、遅延のお詫びのミールクーポンが貰えませんでしたね…。同じ便に乗る後から来た人たちは持っていました。

ミールクーポンは一般的にチェックインカウンターで貰えるものなので、制限エリアに入ってしまった後ではどうにもなりませんね。悔しい。

仕方ないので自腹でバーガーキングを食べました。

ドンムアン空港国際線の制限エリア

関西国際空港行きの出発時刻は14:15だったのが17:30に変更。3時間15分遅れ。

タイ・エアアジアXの出発案内

関空到着は定刻が21:40なので、3時間遅れると深夜になります。入国審査や植物検疫を済ませた頃には電車は動いてなさそう。朝まで関空で過ごすことになりそうです。

まあ、仕方ないですね……。前述のようにLCCはコストを抑えるためカツカツのスケジュールで飛んでいます。遅延や突然の欠航が発生するおそれがあるし、トラブル発生時の補償に関しても手厚いとは言えません。

日程・時間に余裕がない人や、ストレスフリーで飛びたい人はレガシーキャリアを選んだほうが無難。その分高いけれども。

A330に搭乗

関空行きの待合スペースではあちこちから日本語が聞こえてきました。もう半分帰国した気分に。

待っているとようやく飛行機が到着。

駐機中のタイ・エアアジアXのA330

エアアジア系の機体デザインは派手な色使いでかっこいいと思う。

駐機中のタイ・エアアジアXのA330

客を降ろすと慌ただしく清掃や点検をしてすぐ次の客を乗せるんですね……。スタッフは大変そう。

いよいよ搭乗開始。これでタイとはさよならです。ちょっとさみしい。

LCCの座席はレガシーキャリアに比べて狭くなっています。今回乗るエアバスA330型機の場合、レガシーキャリアでは2-4-2の横8席ですが、LCCの場合は3-3-3の横9席になっていることが多いです。その分1席あたりの幅が狭い。

前の席との間隔も狭くなっています。できるだけ多くの人を乗せて収益を増やすためですね。

とはいえ、今回のタイ・エアアジアX仕様のA330は、足元が極端に狭いとは感じませんでした。長距離路線用の機材のため、ある程度余裕を持たせているのかもしれません。

また、短距離路線用のA320などに比べ機体そのものが大きいためか、全体的にスペースの余裕があり圧迫感が少なかった。頭上の空間もなんだか広々しています。

タイ・エアアジアXのA330機内

中央ブロック通路側の席を予約しておいたおかげもあって、けっこう快適でしたよ。客室乗務員の対応も良かったし、遅延以外は特に問題なし。

飛行時間は4時間40分とのアナウンス。出発が遅れたけど飛行時間は短くなっています。当初の予定では5時間25分でした。

夜中で滑走路の順番待ちがないからでしょうかね? 詳細は不明。

機体が大きいおかげか、飛行中の揺れがマイルドで乗り心地は良好。筆者は飛行機の小刻みな揺れや浮遊感が苦手ですが、今回はそういう嫌な感じがほとんどなかったです。

今後、飛行時間が長い路線を利用する際は、大きめの機体を飛ばしている会社を選ぼうと思いました。

以前、LCCのA320で福岡からスワンナプームに飛んだことがあったけど、小さい飛行機に長時間乗るのは辛かった。LCCであっても機体サイズで快適性が変わることを学習。

予約時に注文しておいた有料の機内食が運ばれてきました。日本便だからなのか、ジャパニーズチキンテリヤキwithライス。甘味と醤油味が合わさって美味しい。

タイ・エアアジアXの機内食のてりやきごはん

以前食べたペンネアラビアータとラザニアも美味しかったし、エアアジア系の機内食はクオリティが高いと思う。

関空到着

無事、関西国際空港に着陸。バスでターミナルビルへ移動するかと思いきや、ボーディングブリッジが使えました。これはありがたい。

飛行機から出て通路を歩いていると、ガラスの向こうの待合室にいる人たちが見えます。

折り返しのドンムアン行きに乗る人ですね。皆疲れ切った顔をしています。遅延のせいで真夜中になっているからね……。

案内表示を見ると一時間もせず出発するらしい。やっぱり同じ機体で関空とドンムアンを行ったり来たりしているんですね。とんぼ返りを繰り返すから一回遅れると後の便も次々遅れるんだなぁ……。

いつリセットが掛かって遅延が回復するのか気になります。

 

入国審査官と植物検疫の職員は愛想が良くて親切でした。仕事も丁寧。模範的日本人ですわ。とても気分がいい。

海外の入国審査官って、怖い顔をした人とダルそうな人の率が高いんですよね。

筆者の記憶に残っているのは、スペインの某空港の入国審査のお兄さん。見るからに「超やるきねぇ~」っていうオーラが出ていて面白かった。

まるで退屈な授業を聞いている学生みたいな雰囲気。今にも寝そうな感じでした。

ちゃんとパスポートを見ているのかさえ怪しい様子で、実際違うところ(追記ページ)にスタンプを押されました。問題なく出入国できたので文句はないですけど。

まあ、海外にも感じの良い入国審査官はいますけどね。結局は人によりけり。個人の資質によるところが大きい。

とはいえ日本では愛想のいい人に当たる確率が高いとは思う。これが「おもてなし」というやつなのかなぁ……?

日本は全体的に接客のクオリティが高いと言われていますし、実感としてその通りだと思います。ただ、働く側の視点で考えると、ダルそうに仕事をしても給料が貰える海外のほうが暮らしやすそう。

正直、現代日本の消費者は過剰なおもてなしを求めすぎな面がある。その結果、接客業の負担は凄まじいことになっていると思います。

高級ホテルとかならまだしも、コンビニやファミレスの店員にまで完璧な接客態度を求め、気に入らないとクレームを入れるやつもいるしね。

もっと適当な接客を許容したほうが暮らしやすい社会になりそう。客は神様ではなく対等な人間。クレーマーに丁寧な対応をする必要なんてない。

海外を見ると別に接客態度が雑でも問題なく社会は成り立っています。海外旅行を終えて日本に帰ってくると、接客が丁寧すぎて逆カルチャーショックを受けるかも?

サボテンも無事植物検疫を通過し、入国の手続きはすべて終わりました。まもなく深夜の2時です。

深夜の関西国際空港ターミナル

この時間の空港は人が少なく、不思議な雰囲気でした……。

しばらく椅子で休ませてもらい、5時のリムジンバスで大阪(梅田)駅へ行くことにします。

夜の関西国際空港のバス乗り場

夜中の関西国際空港

昼間はUSJ、奈良、四国方面などに直通するバスがあるらしい。

夜中の関西国際空港のバスきっぷうりば

大阪梅田へのバス運賃は1,550円(2018年2月時点)。カンボジアのシェムリアップからバンコクへ約400km乗ったバスと同じくらいでした。日本の物価の感覚を取り戻さないとな……。

乗車後、約1時間で新阪急ホテル1Fのバスのりばに着きました。道を渡って、朝6時頃のヨドバシ梅田前に到着。当然開いていません。

夜中のヨドバシマルチメディア梅田に通じる通路

ここまで来ればどこへでも行けます。JR大阪駅の真ん前ですし、この下にはJR高速バスターミナルがあり、各地へのバスが出ています。

後で思えば関空で始発の電車まで1時間我慢すればもう少し安く帰れましたね。

2018年、年始の東南アジアの旅行の記録はこれにて終了です。

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