「青春18きっぷ」で山科(京都府)から鳥栖(佐賀県)へ観光しながら行く

門司港~博多~鳥栖

門司港の駅舎はとってもお洒落。これ自体が観光スポットと言っても過言ではないでしょう。国の重要文化財に指定されています。

門司港駅駅舎

2012年から補修工事が始まり2019年に完了。大正時代の創建時の姿に戻ったそうです。

10年くらい前に来たときはこんな外観ではなく、手前に屋根が付いた通路みたいなのがあったはず。駅舎自体もかなり年季が入っていた記憶があります。

中もすごく綺麗になってる!

2023年の門司港駅内部

↓補修工事前に撮った写真がありました。改札内から外を見た様子。

2012年の門司港駅内部

同じ位置で撮影した写真がないので純粋な比較はできませんが、雰囲気はかなり違いますね。大掛かりな補修が行われたことが分かります。

2023年の門司港駅内部(拡大)

さて、18きっぷを見せてホームに入りましょう。

門司港駅は鹿児島本線の起点。JRの線路はここで途切れており、下関へ行く場合は、2駅隣の門司駅で山陽本線に乗り換えることになります。

門司港駅の線路の終端

ひらがなの駅名標はレトロ感と可愛らしさを併せ持っていて、独特の魅力があります。グッズになるのも分かる。

「もじこう」駅名標

ホームの屋根は木とレールで作られており、ここにも歴史を感じます。

門司港駅のホーム屋根と車両

乗り込む列車は区間快速二日市行き。二日市駅は博多駅より先の駅です。

区間快速二日市行きの種別・行き先表示

車内は転換クロスシート。すばらしい。

881系の車内。転換クロスシート

今回乗った区間快速ですが、名前に「快速」と付いていても速達性はイマイチ。門司港~福間の56.6kmは各駅に停車し1時間20分くらい掛かります。

福間~博多~二日市の35.8kmは快速運転をするものの、約半数の駅に停車します。

急ぐ人は特急か新幹線を利用したほうがよさそう。筆者の場合、18きっぷ利用なのでこれで行くしかないですけどね。快速という名前に惑わされず、各駅停車だと思って乗れば腹も立ちません。

鹿児島本線の車窓風景は、山陽本線のものと大きく異なっていて新鮮な感覚。うまく言えないけど、九州の景色は本州のものとは何かが根本的に違うんですよね。

地形、植生、街の成り立ち……原因はわからないですが、旅行してる感じがして楽しい。外国に来た感じと言ってもいいかも。

あと、鹿児島本線は日中なのに結構混みますね。JR九州エリアでは減便・減車による混雑が社会問題になっていると聞いてはいましたが。

博多が近づいてくると都会感がすごい。あと、駅のホームの感じもなんか本州と違うんだよなぁ……。

博多で一旦下ります。

博多駅の建物

大きい街ですね。地下街が広大で迷いそう。3月27日に地下鉄七隈線が博多まで延伸開業するというポスターがありました。複数の路線が乗り入れる交通の要衝ですねぇ。

ところで18きっぷは今日で使い切ってしまいます。翌日使う鳥栖~長崎の「かもめネットきっぷ」と、鹿児島空港~関空の航空券は購入済みですが、長崎~鹿児島の切符は未購入。

というわけで、博多駅周辺の金券ショップを巡ったのですが、めぼしい切符はありませんでした。残り1回の18きっぷは3500円で売られていたけどパス。肥薩線が災害で不通ですし、JRの普通列車だけで鹿児島に行くのは大変。

三セクの肥薩おれんじ鉄道も乗れる「旅名人の九州満喫きっぷ」の残り1回分や、JR九州の株主優待券(運賃・料金半額)の安いのがあればよかったんですけど。

安い切符は諦めて宿を取っている鳥栖駅に向かいます。夕方5時過ぎの帰宅時間に重なり、とんでもない混雑に巻き込まれました。ホームは人だらけ。

博多が都会だからというのもあるでしょうけど、減便の影響が出ているのかなと思ってしまいます。 待っていると転換クロスシートを取っ払ってドア付近を広くした車両が来ました。

減便・現車対策らしいですが、これじゃあ日中は席が少なくて不便だよなぁ……。途中駅であとから来た快速に乗り換えて鳥栖へ。こっちはロングシートの車両でしたが、そこまで混んでなかったです。

無事鳥栖駅に到着。歴史を感じる駅舎ですね。明治時代に建てられたのだそうです。門司港駅駅舎は大正時代なので、より古いということ。

鳥栖駅

駅の中には、うどん・そば屋、駅弁屋、パン屋など色々な店が入っていて賑わっていました。九州は全体的に四国より栄えているというか、活気のある印象を受けます。

……別に四国をdisってるわけじゃないですよ。四国には毎年何回も訪れているのでどうしても比べてしまうんです。

四国にもこういう昔ながらの駅舎は残っているけど、駅の内部や周辺の町はもっと静かな感じ。これだけ賑わっているのを見ると軽い衝撃を受けます。

かつて四国の主要な駅にはウィリーウィンキーというパン屋が入っていましたが、2020年になくなってしまいました。

四国と九州はどちらも本州以外の島ですが、人口などのデータを見れば分かるように結構規模が違います。福岡県だけで四国4県の合計より人口が多いので、賑わいに差が出るのは必然か……。

あと、鳥栖駅のある佐賀県はシームレスに福岡とつながっているのがいいですね。四国は各県が険しい山で分断されているのが厳しい。

門司港~鳥栖:106.8km(営業キロ)

門司港駅から鳥栖駅のルート

駅徒歩1分のサンホテル鳥栖に宿泊。いい感じ。綺麗。朝食バイキング付き。

サンホテル鳥栖のメモ用紙

全国旅行支援クーポン「佐賀旅PAY」を使用し、コンビニで夕食を調達。2000円あればたくさん買えますね。

鳥栖駅のコンビニで買った夕食

翌日は朝早くに佐賀県を去って長崎に行ってしまうので、本日中にクーポンを使い切る必要がありました。佐賀県にも観光地は沢山あるので、スルーするのはなんだか申し訳ない気がしますが……。

西九州新幹線に乗るのと、長崎観光が今回の旅の主目的なので勘弁してほしいです。次来るときは佐賀観光します。吉野ヶ里遺跡とか行きたい。

乗車距離&運賃

山科駅から鳥栖駅までのルートマップ

山科から鳥栖までJRに乗って移動した距離は、692.8km(営業キロ)でした。運賃計算キロだと4.4kmプラスして697.2km

広島~新白島と下関~門司港はJRを利用していないので差し引いています。

通常の乗車券で移動する場合の運賃は、

  • 山科~広島:6,600円
  • 新白島~下関:3,740円
  • 門司港~鳥栖:1,850円

合計で12,190円になりますが、今回は18きっぷ二回分で行ったので4,820円で済んでいます。

JR以外の運賃は、

  • 広島電鉄(広島駅~紙屋町東):200円
  • バス(下関駅~唐戸):220円
  • 関門連絡船:400円

合計820円。運賃すべての合計は5,640円でした。

ちなみに船などを使わずJRだけで山科から鳥栖へ行くと、695.4km(営業キロ) 699.8km(運賃計算キロ)になり、運賃は10,530円になります。

それにしてもJRの運賃計算って複雑です。本州三社と北海道、四国、九州にまたがる場合も、加算運賃が発生します。

山科~鳥栖を一枚の乗車券で乗る場合を考えます。運賃計算キロは699.8kmなので、本州三社のみの場合は「681~720km」の10,340円になりますが、門司~鳥栖はJR九州エリアなので加算運賃が発生。

門司~鳥栖の営業キロは101.3kmなので、加算額表を見て「101~120km」の190円を追加します。

10,340円+190円=10,530円 が発券される乗車券の金額になります。

路線検索やJRの予約サイトを使うと運賃は自動計算されるので、細かい仕組みを気にしている人は少ないと思います。今どき時刻表の後ろに載っている表を見て運賃計算する人はいるんでしょうか。

ただ裏側では意外に複雑な処理が行われているという話でした。

ところで、今回は二日かけて観光しつつ移動しましたが、山科~鳥栖は18きっぷを使って一日で移動することが可能です。

山科5:15発の初電に乗れば、19:52に鳥栖到着。所要時間14時間37分(うち乗車13時間6分)です。

ほぼ乗りっぱなしなので相当疲れるとは思いますが、安く移動することが目的ならアリかもしれません。筆者はやりませんけども。

長崎方面だと、長崎本線肥前大浦駅まで行けるらしい(22:06着)

鹿児島方面だと、鹿児島本線八代駅22:37着。18きっぷのみではここまでですが、肥薩おれんじ鉄道に課金すれば出水駅(00:04着)まで行けますね。

 

次回は「かもめネットきっぷ」を使い、在来線特急と西九州新幹線を乗り継いで長崎へ移動。観光します。

次回はこちら↓

西九州新幹線「かもめ」で長崎へ&新幹線のこれからを妄想
この記事は2023年春の旅行記part2です。 「かもめネットきっぷ」を使い、佐賀県の鳥栖駅から特急と新幹線を乗り継いで長崎駅まで移動した記録と、これからの新幹線建設について考えたことを書きました。 前回:「青春18きっぷ」で山科(京都府)...
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