寂れた徳島駅周辺…高架化と再開発に期待しつつ牟岐線で阿南へ|徳島~室戸~高知の旅②

徳島~室戸~高知の旅②のアイキャッチ画像(新町川を渡る牟岐線からの車窓)

徳島~室戸~高知を公共交通機関で巡る旅のパート2です。エリア内の鉄道、DMV、路線バスが乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ」を使います。

徳島・室戸・高知55フリーきっぷ

前回は早朝の徳島駅に向かい、JR牟岐線の普通列車に乗り込んだところまで書きました。

前回(パート1)はこちら⇩

JR四国の独特な座席配置!徳島駅で牟岐線の普通列車に乗る|徳島~室戸~高知の旅①
徳島駅を出発して、室戸岬を経由し、高知駅まで旅した様子を写真付きで紹介します。旅のルートは、国道55号線に沿って四国の“右下”エリアを公共交通機関で巡るコースです。エリア内の普通列車・バスが3日間乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ...

この記事では、徳島市街地衰退の話と、徳島から阿南までの牟岐線沿線の車窓について書きます。なお、旅をしたのは2025年8月上旬です。

徳島から室戸を経由して高知までの図。徳島~阿南は水色

国土地理院の地図を加工して作成

徳島駅周辺の衰退が悲しい

徳島駅4番のりばに停車中の1000形阿波海南行き

牟岐線の始発列車、普通・阿波海南行きは、定刻通り5:45に徳島駅を発車。

列車は徳島駅を出ると右に大きくカーブし新町川を渡ります。昨晩はこの川の南側(写真左手)にあるレトロなビジネスホテルに泊まっていました。車窓からは見えませんけどね。

新町川を渡る牟岐線からの車窓

それにしても、徳島駅周辺の街の寂れ具合を見ると悲しくなります。四国の県庁所在地にある代表駅の周辺では、一番寂れた雰囲気を感じます。

「陸の孤島」などと言われることがある高知でさえ、駅周辺はそれなりに賑わっています。

松山駅も新駅舎開業を機に人が増えて賑わいを増しつつありますが、旧駅舎時代もそれなりに人はいました。そもそも松山で最も利用者が多いのはJRではなく伊予鉄の松山市駅で、そちらはもっと賑やかです。

「四国の玄関口」と呼ばれる高松の賑わいについては言うまでもありません。

一方の徳島駅周辺は、今は早朝なので人が少ないのは当然ですが、昼間や夕方に訪れた時もほとんど人が歩いていませんでした。駅ビル周辺には辛うじて人がいるものの、少し離れると本当にガランとしていて寂しい雰囲気。

徳島駅は、いわゆる田舎の小さな駅という感じではありません。実際、駅ビルも周囲の建物も大きく立派ですし、道路も広いです。しかし、その規模の割に歩いている人が少ないことが、かえって異様なほどの寂しい雰囲気を醸し出しているのだと思います。

駅のすぐ近くでもすでにその傾向が見られますが、新町川の南側へ向かうとさらに寂れ方が加速します。

新町橋から眉山方向を見た風景

2024年9月撮影

昭和に建てられたであろう古びたビルが立ち並び、商店街はほぼシャッター。人の姿はまばらで、まるで時が止まったかのようです。

昔は大いに栄えていたものの、時代に取り残され衰退したという印象が強いですね。

駅利用者はいる

もっとも、駅周辺が衰退しているからといって、徳島駅自体の利用者が少ないわけではありません。乗車人員ではJR四国の駅でも上位であり、重要な交通の拠点であることは確かです。

鉄道だけでなく、京阪神や四国各地への高速バスも高頻度で運行されています。

つまり徳島駅周辺は、駅という点だけに賑わいが集中し、周辺市街地という面としては衰退していると言えそうです。鉄道やバスの利用者が乗り降りするだけの場所となってしまい、それ以外の目的で訪れる人が少なくなっているのでしょう。

こうなった原因の一つとして、買い物やレジャーの客が、京阪神の商業施設や、郊外型ショッピングセンターに流れたことが挙げられます。

1998年に明石海峡大橋が開通したことで、京阪神への車移動が格段に便利になりました。自家用車でのアクセスが容易になったのはもちろんですが、本数が多く運賃も手頃な高速バスが運行されているので、誰でも気軽に行き来できるようになっています。

(明石海峡大橋⇩)

明石海峡大橋を渡る高速バス車内からの風景

2024年1月、高速バス車内より撮影

また、鉄道や路線バスなどの公共交通機関が不便な地域では、自家用車の保有率が高くなります。その結果として、広大な無料駐車場を持った郊外のショッピングセンターやロードサイド店舗が賑わい、駅前から人が減ります。

徳島市では、フジグラン、ゆめタウン、イオンモールなどに客が流れたようです。買い物客の郊外への流出は、地方都市に共通した課題になっています。

徳島駅周辺が寂れている一方、郊外や幹線道路沿いの店舗は嘘みたいに賑わっていますね。少子化・人口減少が進んではいるものの、人がゴッソリいなくなったわけではないのです。徳島市にはまだ24万人以上が暮らしています。

観光地が遠い問題

有名な観光地が徳島市中心部から遠く離れているのも、駅周辺に人が集まらない要因の一つだと思います。

大塚国際美術館、鳴門の渦潮、祖谷のかずら橋、大歩危・小歩危といった大人気観光地が、県の端のほうに分散しているのが厳しい。

それらの観光地に自家用車で向かう人は、地理的に徳島駅周辺に立ち寄る必要がありません。公共交通機関を利用する場合も、京阪神から観光地付近まで直行する高速バスが出ています。

徳島駅で乗り換えて上記の観光地を目指す人は、ついでに街に寄ってくれる可能性があります。ただ、駅ビルの売店や飲食店を利用する人はいたとしても、街に出て観光をしていく人がどれくらいいるかは不明です。

徳島駅から近い観光地を挙げると、眉山ロープウェイ、阿波おどり会館、あとは駅裏の徳島城跡くらいでしょうか。

残念ながら、先に上げた観光地に比べると知名度や集客力は低く、それだけを目当てに県外から訪れる人はそこまで多くないと思います。

徳島駅周辺は、阿波おどりが開催される時期には例外的に賑わいますし、アニメ・ゲームイベントの「マチ★アソビ」にも万単位の人が訪れます。

しかし、それらが開催される時期以外に県外から大勢の人を呼べるような観光地がなく、これも徳島駅周辺に人が少ない一因になっているようです。

それに対し、四国の残り3県は、市内のアクセスがいい場所に人気観光地があります。

高松:栗林公園、高松城跡(櫓など歴史的建築物が現存。重要文化財指定)、屋島、あなぶきアリーナ(観光地とは少し違うが、中四国最大規模のイベント会場。県外から人を呼べる)

松山:松山城(現存12天守)、道後温泉

高知:高知城(現存12天守)、ひろめ市場、日曜市、はりまや橋(がっかり名所と呼ばれることもあるが)

ちなみに、徳島城跡には立派な石垣が残っていますが、上部の建物はほぼ残っていません。復元された門はあるものの、観光地というより地域住民向けの公園という印象を受けました。実際、城跡一帯は徳島中央公園と呼ばれています。

公園内には歴史博物館がありますし、日本史ファンは楽しめると思いますが、見るものはそこまで多くなく、観光地としては物足りない感じです。

ちなみに、SL(8620形式 68692号)が保存されているので、鉄道ファンは足を運ぶ価値があるかもしれません。

ネガティブなことばかり書きましたが、徳島駅周辺に見どころがないわけではありません。個人的には、美しい景色が見られる眉山ロープウェイが好きですね。

山頂に登って南西方向を見ると、深山幽谷と呼びたくなるような山々が連なる風景が広がっています。

眉山頂上から南側を見るとある山々の風景

2018年1月撮影

反対側に見える市街地の風景とのギャップが激しくて面白いです。

眉山ロープウェイから徳島市街地を見た様子

2018年1月撮影

あまりにも景色が違いすぎたので、初めて来た時には狐につままれたような気分になりました。航空写真で見るとわかりますが、県の南の方はほぼ山なのですよね。山と海の間の限られた平地に人々が暮らしていて、そこを走っているのが牟岐線です。

あと、市内の川を巡る「ひょうたん島クルーズ(周遊船)」が運行されているので、次に訪れた際には乗ってみたいです。

再開発遅延問題

ここまで見てきたように、徳島駅周辺には、消費者の郊外・京阪神への流出や観光地の集客力不足などの課題があります。

とはいえ、県庁所在地の代表駅周辺が昔の姿のまま取り残され、これほど静まり返っている例は、全国的に見ても比較的珍しいと思います。

日本全体を見れば再開発が進んでいる都市は多く、一時的に寂れたエリアが賑わいを取り戻したケースも少なくありません。

ここ十数年で昭和レトロな駅は大きく数を減らし、駅舎の建て替えと同時に周辺の市街地が一新されることも普通になりました。

一方、徳島駅の場合、駅ビルこそ1992年完成と比較的新しいものの、奥にあるホームや跨線橋などの「駅本体」は昭和のままです。かつては高知駅や松山駅もそうでしたが、ホームの奥に車両基地(徳島運転所)があり、たくさんの線路が並んでいます⇩

徳島駅の車両基地のたくさんの線路と休む車両

2025年11月、徳島駅南東の跨線橋より撮影

都市中心部の車両基地や貨物駅を郊外に移転して、開いた土地を再開発に利用する事例は全国各地で見られます。

高知と松山では、車両基地の移転で生じた土地の一部を利用して新しい高架駅舎を作り、その後で旧駅舎を解体しました。そして旧駅舎の場所と車両基地の残りの土地を再開発に使うという方式がとられています。

車両基地移転と高架化が実現することで、線路による市街地の分断が解消されるとともに、駅の周囲に自由に活用できる土地が生まれます。

再開発が遅れている徳島ですが、車両基地の移転や、徳島駅と周辺の線路(駅西から文化の森駅付近までの約4.2km)を高架化する計画はあります。しかし、複数の案が出ていて最終決定はなされていません。

NHKの報道(『とく6徳島』12月11日 午後6:10放送)によると、車両基地候補地は以下の3つだそうです。事業費と整備期間も公表されています。

  1. 地蔵橋駅の南で盛り土:約800億円、約17年
  2. 市役所の東側(旧文化センター跡地)で高架:約850億円、約13年
  3. 現在と同じ場所で高架:約850億円+α、約13年+α(※仮基地が必要)

なお、多額の費用がかかるこの事業が必要なのか疑問視する意見も出ているそうです。着工するとしても、まだまだ先になりそうですね。

ちなみに、新ホール建設に関しても雲行きが怪しくなっています。建設場所について揉め、旧文化センター跡地から藍場浜公園に変更されたものの、事業者の応募がなく、工事が始まりません。

ここ数年の資材高騰や人手不足などの事情もあり、建設費が増加しているのも課題です。

大規模な再開発には長い年月が掛かるので、可能な限り早く方針を決めてほしいところ。駅や線路をどうするか決まらなければ、周辺の再開発も進みません。

四国の他県を見ると、規模が最も大きい高松駅は2001年に新駅舎が開業し、早い時期から再開発が進められてきました。

高知駅も2008年と比較的早い段階で高架化されています。そして、かなりレトロだった松山駅も、ついに昨年(2024年9月)に高架駅へと生まれ変わりました。

現状、四国の中では徳島だけが後れを取っている状況です。長期間にわたり揉め続け、方針が決まらなかった結果がこの寂れ様であり、このままでは駅前の衰退は進む一方でしょう。

ただ、徳島には京阪神からのアクセスが四国の他の3県より良いという強みがあります。魅力的な街並みや観光施設を作ることができれば、徳島の人々が流出したのと反対に京阪神の人々を流入させることができそうです。

また、徳島市は現在でも24万人以上の人口を有しています。郊外ショッピングセンターに流れた人々の一部を呼び戻せばある程度の賑わいは取り戻せるでしょう。

わざわざ来たくなるような街づくりはもちろん大切ですが、マイカー客への対策も欠かせません。手頃な駐車場の増設や、近隣の駅からパーク・アンド・ライドができる仕組みの導入など、クルマ社会に対応する必要もあるでしょう。

やり方次第では盛り返せるポテンシャルがあるので、早く具体的な方針が決まり、再開発が進むといいなと思います。現在、川の南側の新町西地区では再開発工事が行われているので、この流れが他の地区にも広がることを期待したいです。

南小松島駅で列車交換

前置きが長くなりましたが、旅の話に戻ります。

徳島を出た列車は各駅に止まりつつ南へ進んでいきます。5時台なのに意外と乗り降りがあります。

発車から約20分。6:07に南小松島駅で列車交換がありました。牟岐線は全線単線なので途中駅で度々行き違い待ちがあります。

南小松島駅停車中の1500形気動車の側面

向こうの列車(板野行き)は転換クロスシート搭載の1500形ですね。長時間乗っても快適な車両です。

南小松島駅停車中の1500形気動車の後部窓とドア付近

副駅名

ところで、南小松島駅には「日新四国工場 玄関口駅」という副駅名が付けられています。これは、JR四国からネーミングライツと駅広告の独占権を購入した、日新四国工場によるものだそうです。

外部リンク:

駅の柱に見られる同社の広告は、車両やホームの風景に調和していて好感が持てます。

合板などを製造している同社は駅ベンチの整備も行ったそうです。経営が厳しいJR四国にとって、助けになっていると思います。鉄道と地域に貢献してくれる企業が増えるといいですね。

地方路線を鉄道会社単独で運営するのは厳しく、かと言って税金の投入にも限界があります。自分ももし大金持ちだったら、鉄道会社に寄付をしたいです。資産家の鉄道ファンがまとまった金額を寄付すると、特に規模の小さい地方鉄道に対しては、大きな支援効果をもたらすことができると思います。

また、近年はクラウドファンディングが普及したおかげで、資産家ではない個人でも支援しやすくなっているのは大きな進歩ですね。

今はなき小松島駅

ここは南小松島駅ですが、「南」が付かない小松島駅は現存しません。

小松島駅は、隣の中田(ちゅうでん)駅から分岐していた小松島線の駅でしたが、路線自体が1985年に廃止されたため、一緒になくなりました。

小松島線は、終点の小松島港駅(仮乗降場)で汽船やフェリーに接続し、徳島と本州を結ぶルートになっていたそうです。現在徳島港から出ている南海フェリーも、かつては小松島港から出ていました。

小松島線の廃線跡は遊歩道として整備され、小松島港まで歩いて行けるようです。

中田駅付近の航空写真。牟岐線と小松島線廃線跡が見える

国土地理院の地図を加工して作成

気候のいい時期に一度行ってみたいですね。今は8月上旬。最近の夏は暑すぎて外を歩く気になりません。

それにしても、近年は暑い夏の期間が延びたせいで、過ごしやすい春と秋の期間が短くなってしまいました。アウトドアには厳しい環境になりましたね。もし廃線跡を歩くなら冬場がよさそうです。太平洋側の冬は天気がいい日が多いですからね。

 

列車はここまで内陸部を走ってきましたが、南小松島駅付近では比較的海の近くを走ります。ただ、車窓から海を見るのは難しい。牟岐線は海沿いに走っている路線とはいえ、海が見えるスポットは意外に少ないです。

阿南駅へ

南小松島駅を出発。8月なのに紫陽花の花(正確にはガク)がまだ残っていました。ドライフラワーみたいになって秋まで残っていることもありますよね⇩

牟岐線車窓の紫陽花

沿線にはのんびりした風景が広がり、見ていて落ち着きます。

田園地帯にゆったり建てられた家々もいいですね。徳島の車窓ではよく見られる光景ですが、都市部のように隣家との間隔が詰まっておらず、距離を取ってぽつぽつと建っています。昔からの農家の家なのでしょうか。

3駅進んで羽ノ浦駅へ(6:18)。この駅は構内が結構広く、ホームに面した本線以外の線路(留置線)があります。

羽ノ浦駅のホームと留置線

奥には積み重ねられた枕木やレールが見えますね。保線の拠点になっているのでしょうか。

羽ノ浦駅の端に積まれるマクラギとレール

かつてはこの羽ノ浦駅から貨物支線が出ていたそうです。

さらに2駅進んで阿波中島駅に到着(6:25)。現在は1面1線の棒線駅ですが、以前はホーム反対側にも線路があったらしい。レールが剥がされ空き地だけ残っています⇩

阿波中島駅のホーム

阿波中島駅を出ると、鉄橋で広い川を渡ります⇩

牟岐線で那賀川を渡る車窓。鉄橋の構造物が見える

これは一級河川の那賀川。同じ読みの川が関東や九州にもありますね(そちらは漢字が違って那川)

この那賀川は、アゴヒゲアザラシのナカちゃんが出現した川です。現れたのは2005年。今から20年前のできごとになるようです。ちなみにその少し前、2002年には多摩川のタマちゃんが全国的なブームを巻き起こしました。

……もうそんな前なのですね。

牟岐線で那賀川を渡る車窓。川幅が広い

牟岐線で那賀川を渡る車窓。もうすぐ渡り終える

那賀川を渡り終えるとすぐ阿南駅に到着します(6:28)⇩

阿南駅のホーム

この駅で乗客の大半が下車しました。徳島駅からここまでが利用者の多い区間のようです。実際、この先は列車の本数も大きく減ります。

阿南駅は、昨年度(2024年度)の利用者数(1日平均乗車人員)が、徳島県内で3番目に多い駅でした。

2つのホームが向かい合い、その間に2本の線路があるスタイル(2面2線)のシンプルな駅ですが、ホームの向こう(東側)に留置線があるのが特徴的。徳島方面から来てここで折り返す列車が多いからでしょうか。

阿南駅の留置線に止まった車両を本線の車内から見る

前回少し書きましたが、ここ阿南駅では、JRの乗車券で利用できる阿波海南方面のバスに乗り換えが可能。JRの時刻表にもバスの時間が書かれています。減便で牟岐線の列車がなくなった時間帯にも先に進めるようにする救済措置のようです。

枕木の話

発車まで時間があるのであちこち観察していると、一部の枕木だけコンクリ製になっているのを発見。PC(プレストレストコンクリート)枕木というやつですね⇩

阿南駅の線路と枕木

まばらに使われていますが、区間を決めて一度にPC枕木化するのではなく、寿命が来た木の枕木だけを取り替えているのでしょうか。コスト削減のため、使えるものは最後まで使うということかも?

木の枕木と書くと重言っぽいですが、木以外の素材も使われるようになったので、間違った表現ではないはず……。「マクラギ」とカタカナ表記にしたほうが違和感ないかもしれません。カタカナのほか、ひらがな表記もしばしば見かけますね。

さて、木の枕木ですが、防腐処理がされてはいるものの、コンクリ製に比べ劣化しやすく寿命が短めです。

PC枕木は寿命が長いだけではなく、その重さと強度によって列車走行時のレールや枕木自身のズレを抑えます。その結果、乗り心地が向上しますし、保守の手間も減らせるようです。

木の枕木の場合、メンテナンスを怠ると2本のレールの間隔が規定量より広がり、脱線事故につながる危険性が高まります。

実際、資金に余裕のない地方鉄道がそのような事故を起こした事例が多数あります。そのような背景から、国土交通省はPC枕木への交換を推奨していますが、資金の問題で一気に全てを交換するのは難しそうです。

JR四国に関して言うと、予讃線、土讃線、高徳線など、特急が頻繁に高速走行する路線は、10年以上前からPC枕木への交換が進められ、木の枕木はほとんど残っていなかったと思います。

一方、牟岐線にはまだ木の枕木が多く残っているようです。

交換前のPC枕木が線路脇に並べられている写真を見つけたので貼っておきます。土讃線(後免~土佐大津)で2014年1月に撮影しました。今(2025年)から11年前ですね。

土讃線特急「南風」アンパンマン列車(緑)と交換前のPC枕木

2014年1月撮影。土讃線(後免~土佐大津)

 

枕木のことを考えていると、反対ホームに列車が到着しました。

阿南駅に入ってくる鳴門行きを車窓から見た様子

乗車中の阿波海南行きは、阿南で10分近く停車しました。これは時間調整を兼ねた行き違い待ちだったようです。

反対列車は鳴門行き。牟岐線には、他の路線に直通し、長い時間走る列車が案外多いです。徳島線に乗り入れる阿波池田行きや穴吹行きもあります。昔は特急も直通していました。

阿南駅に止まっている鳴門行き1200形とホームの駅員さん

今回はここまで。次回は阿南から終点の阿波海南まで牟岐線で進み、ついにDMVと対面します。

次の記事はこちら⇩

牟岐線を乗り通し阿波海南へ、民営化の課題とローカル線の未来|徳島~室戸~高知の旅③
徳島~室戸~高知を公共交通機関で巡る旅のパート3です。エリア内の鉄道、DMV、路線バスが乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ」を使います。前回は徳島駅から牟岐線に乗り、阿南駅まで進みました。今回は阿南駅からさらに南下し、JR牟岐線の...
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