メトロと街歩きで訪ねる隠れた名所:北綾瀬駅と目黒寄生虫館 – 24年1月の東京旅行4

アイキャッチ画像(しょうぶ沼公園の滝) 国内旅行

「東京メトロ24時間券」を使い、駅から街歩きをしつつ神社や博物館を訪れました。今回歩いたのは北綾瀬駅~綾瀬駅、千駄木駅~根津神社~東大前駅、目黒駅~目黒寄生虫館~中目黒駅です。

なお、この記事は2024年1月の東京旅行part4。前回はこちら↓

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北綾瀬駅に行ってみる

まずは、東京・南千住山谷(さんや)の宿を出て南千住駅へ移動。駅前の歩道橋からは貨物列車を眺められます。

南千住駅の歩道橋から見える貨物列車

さて、最初の目的地は北綾瀬駅。この駅は周辺に有名な観光地があるわけでもなく、通常は旅行の目的地になるような駅ではありませんが、鉄道ファン的には面白い駅です。

綾瀬駅から北に伸びでいる線路は元々、車両基地への引込線で途中に駅はありませんでした。後に周囲の宅地開発が進んだため新しく作られたのが北綾瀬駅です。

路線図(↓)を見てもわかるように、メインルートから外れた枝線のようになっています。

かつて綾瀬~北綾瀬の区間は3両編成の列車が行ったり来たりするだけでした。代々木上原方面から千代田線を走ってきた列車は北綾瀬へ向かわず常磐線に乗り入れ、取手方面へ向かっていました。

しかし、2019年以降は北綾瀬駅が10両編成対応になり、代々木上原方面との直通運転が行われるようになりました。

筆者はこの駅のことが前々から気になっていたのですが、なかなか訪れる機会がありませんでした。今回はせっかく近くの南千住に宿を取っているので行ってみることに。

まずは南千住駅から日比谷線で隣の北千住駅へ行きます。

南千住駅駅名標

ホームで待っていると東武の車両が来ました。メトロ乗り入れ用の70000系というやつみたいです。

東武70000系

東武の車両は銀色の車体に赤茶っぽい帯の無骨なイメージだったけど、新型車両はスタイリッシュ。

一駅進んですぐ千代田線に乗り換えます。北千住駅は意外と構造が複雑で迷いました。多くの路線が乗り入れてますし、日比谷線ホームから千代田線は若干遠かった……。

南千住駅構内図の一部

千代田線のホームにたどり着くことはできたものの、乗ったのは北綾瀬行きではなく常磐線に直通するやつでした。綾瀬で再び北綾瀬行きに乗り換えます。

綾瀬駅停車中の車内

綾瀬を出発するとマンション郡の間をゆっくり走行。

高層マンション群の間を走る千代田線車内の様子

えらくゆっくりで徐行運転みたいな感じでした。この区間は最高速度が60km/hと低めに設定されていますが、今回は50km/hさえ出てなかった印象。いつもこんなに遅いのかな?

約4分で北綾瀬駅に到着。乗客はここで全員降りることになりますが、線路は車両基地まで続いています。高架下には飲食店などが入った商業施設がありました。

北綾瀬駅外観

駅前には広い公園があります。かつてこのあたりにはノハナショウブが自生しており「菖蒲沼耕地」と呼ばれていたそうです。そのことにちなんで、公園は「しょうぶ沼公園」と命名されています。

園内にはしょうぶ田があり、5月中旬から6月には花が見られるらしい。なお、訪問したのは1月だったので花の気配は全くありませんでした。

園内には人口の滝があり、これは一年中楽しめるみたいです。洞窟みたいになっていて通り抜け可能。滝の裏側から外の景色を眺められます。

北綾瀬駅前の公園の滝

こういう水が流れる施設は好きですね。小さい頃に連れて行ってもらった、某地方都市の遊園地にあった滝を思い出しました。

このあとは徒歩で綾瀬駅へ戻ります。北綾瀬駅周辺は公園以外に特に変わったものもなく、ごく普通の住宅街でした。

市街地なので写真は撮ってません。撮ったほうが面白いレポートになったと思うけど、観光地じゃない普通の住宅街だからちょっと気が引けました。田舎と違って結構人が歩いてるし……。

アロエは撮りましたよ。

アロエ

しばらく歩いて綾瀬駅付近のガード下まで戻ってきました。

綾瀬駅付近の高架線路を下から見る

綾瀬駅~北綾瀬駅は約2kmの距離で、歩けなくはないですが、日常的に歩くには遠いですね。北綾瀬駅は地域住民にとって重要な駅であることがわかりました。

ただ観光客が行くような駅ではなかったです。行くならハナショウブが咲く季節が良さそう。

千駄木駅~東大前駅を歩く

綾瀬駅から再び千代田線に乗り込み、千駄木駅まで行きます。

綾瀬駅ホーム外

根津神社に参拝してから南北線の東大前駅まで歩きます。

根津神社の最寄り駅は千代田線の千駄木駅と根津駅。どちらからも徒歩5分です。宝永3年(1706年)に五代将軍・徳川綱吉によって造営された社殿が現存しており、重要文化財に指定されています。

境内は一部を除き撮影禁止ではないものの、ネット掲載目的だと申請がいるみたいなので写真はありません。(※撮影条件の詳細は神社の公式サイトでご確認ください)

予想以上に敷地が広大で、由緒のある神社だということがよく伝わってきました。現代においてなお、将軍家の威光が感じられます。

根津神社の参拝を終え、表参道口を出て西へ坂を登ると東京大学の建物が見えてきました。下の写真は地震研究所だそうです。

東大の地震研究所

ここから5分くらい歩くと東大前駅の入口に着きます。

東大前駅の看板

ちなみに東大前駅に隣接しているのは農学部の弥生キャンパス。有名な本郷キャンパスの赤門はこの駅から南へ800mくらい行ったところにあります。丸ノ内線・都営大江戸線の本郷三丁目駅から行ったほうが近いですね。

東大前駅~目黒駅

東大前駅から南北線に乗り目黒駅を目指します。

東大前駅の階段

なんと、目黒から東急線に直通し、新横浜や相鉄線の海老名まで行く長距離便もあるらしい。

東大前駅の発車標

次に来るのは白金高輪行きですが、白金高輪は目黒より手前の駅。よってこれに乗ると乗り換えが必要になります。

白金高輪~目黒の区間は、南北線と都営三田線が線路を共用しているらしい。だから目黒まで行かず、白金高輪でおしまいの列車が多数設定されているのですね(↓)

白金高輪駅付近の路線図

線路容量の制約や需要の関係で、全部目黒まで直通させるわけにはいかないみたい……。

首都圏は相互乗り入れや路線の運用が複雑で、乗り換えの難易度が高いですな。路線の延伸や新規開業もあるので、筆者が首都圏に住んでいた頃(10年以上前)よりさらに複雑になっています。

たまにしか来ない観光客には難しすぎる。まあ、スマホが普及した現代では何も考えず乗り換えアプリに従えばいいのですが……。

目黒寄生虫館

そんなこんなで目黒駅に到着しました。ここは東京メトロ、都営地下鉄のほか、JR山手線や東急目黒線も乗り入れている大きな駅です。駅前も賑やかでした。

目黒駅から寄生虫館へは徒歩約12分。目黒通りを西に進みます。途中、目黒川を渡りました(↓)春には川沿いに桜が咲き誇りますが、冬なので幹と枝しか見れません。

目黒川

目黒寄生虫館へ到着。日本で唯一の寄生虫を専門に扱う博物館です。

目黒寄生虫館の外観

寄生虫の標本がたくさん展示されていますが写真の掲載はやめておきます。苦手な方もいると思うのでね。大丈夫な方はぜひ訪問して実物を御覧ください。見ごたえがあるし勉強になります。

寄生され肝臓が肥大したネズミの標本は結構ショッキングでしたが、寄生虫の恐ろしさを実感できるいい展示だと思いました。標本のほか、パネルによる解説もあります。

多包条虫の解説パネル

先人たちの努力や衛生環境の改善によって、日本では寄生虫の被害が激減しました。そのため現代日本人は寄生虫をあまり意識せず生活できています。

ぎょう虫の感染者も減り、学校でのぎょう虫検査は廃止されました。

ぎょう虫検査シート

ただ世界的に見ればまだまだ寄生虫の被害が出ています。日本でも致死性の寄生虫であるエキノコックスの脅威はなくなっていません。

北海道のみだったエキノコックスが本州に定着したのは個人的にとても怖いです。

エキノコックス症の解説展示

エキノコックスには薬があまり効かず外科手術でしか根治できません。放置すると死に至ります。早期発見して病巣を切除するのが基本。

以前、愛知県の知多半島に定着したというニュースが出た時はSNS上で大きな話題になり、軽くパニックが起こっていました。ただし、危険な寄生虫ではあるものの予防は可能です。

厚生労働省のサイトからエキノコックス症予防法を引用します。

  • 感染源となるキツネやイヌなどの保虫宿主に接触しない
  • 野山に出かけた後は手をよく洗う
  • キツネを人家に近づけないよう、生ゴミ等を放置せず、エサを与えたりしない
  • 虫卵に汚染されている可能性のある飲食物の摂取を避ける
  • 沢や川の生水は煮沸してから飲むようにする
  • 山菜や野菜、果物等もよく洗ってから食べる
  • 犬も感染した野ネズミを食べて感染するため、放し飼いをしない

正しい知識を広げていくことが大切。人類と寄生虫の戦いはまだ終わっていないのですね。

ところで、目黒寄生虫館は入館料無料。寄付で成り立ってます。

募金箱

今回は1000円札を箱に投入。別にお金が有り余っていたからではなく、財布に硬貨がなかったからです。

とはいえ、1000円払う価値は十分にありましたよ。日本唯一の寄生虫専門博物館というだけあり、とても珍しいものが見られました。

ちなみに寄付は現地を訪れずに行うことも可能だそうです。銀行振込などが選べます。

外部リンク:公益財団法人目黒寄生虫館:ご寄付のお願い

中目黒駅へ歩く

このあとは目黒駅へ戻らず、少し離れた中目黒駅へ向かいます。2km近い距離で、歩くと25分くらいです。

大鳥神社の交差点を北に曲がって、大通りを直進すると着くので迷う心配はないですね。道沿いにはビルが壁のように立ち並んでいて興味深い風景でした。

都道317号沿いに立っているビル

しばらく進むと右手に目黒清掃工場の白くて高い煙突が見えます。大都会にぬーっと立つ塔を見ていると怖いような懐かしいような不思議な感覚に……。

目黒清掃工場の煙突

中目黒駅の近くまで来ると目に入るのが柱状の独特なデザインのビル。

中目黒アトラスタワー

中目黒アトラスタワーというタワーマンションだそうです。1階から5階までの低層部分にはテナントが入っているらしい。上の方はお金持ちの住処なんでしょうなぁ……。

そんなこんなで目黒駅に到着。ここも北綾瀬~綾瀬と同じくらいで、歩けない距離ではなかったですね。真夏は辛いかもしれませんが、涼しい時期だったので楽勝でした。

中目黒駅入口

中目黒駅は日比谷線の西端。東急東横線と接続しています。ちなみに日比谷線の反対側の端は、この日の最初の方で利用した北千住駅です。

今回はここまで。次回は日比谷線と丸ノ内線を乗り継いで、東京駅丸の内駅舎を見に行きます。

日没後の観光:東京駅丸の内駅舎・神田明神・秋葉原 - 24年1月の東京旅行5
この記事は、2024年1月の東京旅行part5です。「東京メトロ24時間券」を使い、駅から街歩きをしてきました。今回は目黒寄生虫館から歩いて中目黒駅に到着したところから始まります。 前回はこちら↓ 東京駅丸の内駅前広場 次の目的地は東京駅の...
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