この記事は2023年春の旅行記part8の続きです。
鹿児島空港からピーチの飛行機に乗って関空の第2ターミナルビルに到着。連絡バスで関西空港駅まで移動したところから今回の話が始まります。
南海電鉄のチケット売り場にて、関西空港から京都河原町への割引乗車券「京都アクセスきっぷ」を購入。普通ではない使い方を試してみました。
「京都アクセスきっぷ」について
「京都アクセスきっぷ」は、2023年9月30日に発売終了しています。現在使用することはできません。以下はあくまで過去の話になりますのでご注意ください。
「京都アクセスきっぷ」は関西空港駅から京都河原町駅まで、南海、Osaka Metro、阪急を乗り継いで行くことのできる片道乗車券です。
値段は1250円。京都河原町まで全区間を乗る場合は、通常の運賃より約400円安くなります。
経路は以下の通り。
- 関西空港~天下茶屋:南海(空港線、南海本線)
- 天下茶屋~天神橋筋六丁目:Osaka Metro(堺筋線)
- 天神橋筋六丁目~京都河原町:阪急(千里線、京都本線)
乗り換え可能な駅は天下茶屋のみです。なんばや大阪梅田で乗り換えることはできません。
きっぷは2枚に分かれており、南海区間で1枚、Osaka Metroと阪急の区間で1枚です。
普通の使い方をする場合は、天下茶屋駅で南海の改札を出るとき1枚目のきっぷが回収され、2枚目のきっぷでOsaka Metroの改札に入るという形になります。
Osaka Metroと阪急は直通運転を行っているので、京都河原町まで改札を出ずに移動できます。
なお今回は普通の使い方をしません。このきっぷについて前から疑問に思っていた点について実際に検証してみます。
難波駅への乗り越しを検証
関西空港駅で南海の電車に乗り込むと一本で難波駅まで行けます。しかし、「京都アクセスきっぷ」を使う場合には、難波駅より手前にある天下茶屋駅で降りることになります。
せっかく関西に来たのだから、京都へ行く前に難波にも寄りたい……というシチュエーションを想定して難波駅まで乗り通してみます。
1枚目のきっぷは値段の部分が「****円」になっている特殊なものです。はたして問題なく乗り越しすることができるのでしょうか?
難波行き急行に乗り込みます。
結論ですが「京都アクセスきっぷ」1枚目を難波駅の乗り越し精算機に入れたら、問題なく精算できました。天下茶屋~難波の運賃(当時は160円)を追加で払うだけでOK。
実を言うと、この検証を行うのは少々不安でした。下手をすると1枚目のきっぷが無効になって、関西空港~難波の運賃全額を払うことになるおそれがあったからです。
普通のきっぷと同じように精算できてホッとしました。これは鉄道会社が想定している使い方ではないので、どうなっても自己責任ですからねぇ……。
途中乗車を検証
次に、2枚目のきっぷで途中乗車(内方乗車)を試してみます。
2枚目のきっぷの有効範囲は、天下茶屋~(天六)~京都河原町です。そして、この範囲に含まれている恵美須町駅と日本橋駅は南海の難波駅から徒歩圏内。
つまり、もしこの2駅から乗車することができれば、先程乗り越し精算で払った天下茶屋~難波の追加運賃のみで難波に寄れるということになります。
難波駅からの距離で言うと日本橋駅のほうが近いです。徒歩約9分。
ただ筆者は日本橋のでんでんタウンが好きなので、そこの商店街を観光しつつ南へ移動。恵美須町駅の改札から入れるかどうか実験してみました。ちなみに恵美須町駅に近くには通天閣や新世界市場もあります。
Osaka Metroの恵美須町駅に到着。
後ろに人がいないことを確認して自動改札にきっぷを通すも、警告音がなってゲートが閉まりました。
結論、「京都アクセスきっぷ」2枚目では途中駅からの乗車はできないようです。残念。
これは少々意外でした。鉄道会社としては、きっぷに含まれている範囲より輸送距離が短くなるので損はしないはずなんですけどね。
JRの普通乗車券の場合は途中から問題なく乗ることができますし……。
まあ、「京都アクセスきっぷ」はそもそもJRの券じゃないですし、企画券の類なので想定外の使い方では弾くようになっているんでしょうかね?
基本的に天下茶屋駅以外の改札からは入れないようです。
もしかすると、駅係員にお願いすれば入れてくれたのかもしれませんが、恥ずかしいし、京都河原町で降りるときに自動改札を通れなかったら面倒なので諦めました。
天下茶屋まで歩く
仕方ないので天下茶屋駅まで約30分歩きます。ケチですね。ICカードで地下鉄に乗って折り返すこともできたけど今日はケチる日。地下鉄は若干高いからね。
天気もいいし大阪の街は歩くのが楽しい。気取った感じじゃなく生活感があって好きですよ。南海本線の高架に沿って西成区の街並みを進みます。
西成について一部のネット民が過剰に治安の悪さを吹聴していますが、それらはあくまでも過去の話。現在はかなり治安が改善されているらしい。
確かに独特の雰囲気は漂っているけど、昼間に通り抜けるだけで危害を加えられるということはありません。
そもそも治安の良い日本の中で相対的に治安の悪い地域であって、海外の本当に危険な地域とは全く別物です。現在の西成で治安が悪いと言うなら、海外なんて危険過ぎて行けなくなります。
何事もなく天下茶屋駅に到着。
「京都アクセスきっぷ」2枚目を取り出し自動改札機に通してみます。
この駅の改札は問題なく通れました。きっぷの磁気がおかしくなっていたわけではなかったということですね。
京都河原町へ
Osaka Metro堺筋線の電車は阪急線に乗り入れをしていますが、乗り換えなしで京都河原町まで行けるとは限りません。
今回は普通高槻市行きに乗り、阪急線に入ってから特急など速い種別に乗り換えることにしました。
余談になりますが、筆者の使っているスマホは数年前のミドルレンジモデルでカメラ性能が低め。かなり残念な画質の写真が出てくるので悲しくなります。特に地下駅みたいな暗いところだと画質の劣化が著しい。
とはいえ混んでいる駅や電車の中でミラーレス一眼を使うのは気が引けるので悩みどころ……。
さて、Osaka Metroの天下茶屋駅は堺筋線最南端の駅で、すべての列車が当駅始発になります。座れる可能性が高いのがいいですね。
列車はしばらく地下を走り、淀川の手前あたりで地上に出ます。淡路駅周辺では高架化工事が進められており楽しい雰囲気でしたが写真はありません。
特急に乗り換えれば、天下茶屋から1時間10分程度で京都河原町駅に着きます。下の写真は四条河原町の交差点にあるエディオン。
ところで京都は中心繁華街とJR駅が離れているタイプ(広島、松山とかもそう)。
現在でこそ京都駅周辺も栄えていますが、昔からの繁華街は四条河原町エリアです。駅で言うと、阪急の京都河原町駅や、鴨川の東側にある京阪の祇園四条駅のあたり。
これからJR線で家に帰りたい筆者のような人は、四条河原町の私鉄駅で降りてもJR駅まで遠いので不便なんですよね。そもそも、ケチらないなら関空から特急「はるか」に乗れば一本で京都駅に行けたのですが……。
それにしても「京都アクセスきっぷ」を使うのはどのような層なのか気になります。「ジャパン・レール・パス」を買ったインバウンド客は特急「はるか」一択でしょうし。
天下茶屋経由の私鉄ルートって、日本人でも鉄道ファン以外には若干分かりづらいです。阪急線に入ってからの緩急接続も少々難しい。インバウンド客は迷いそう。
それに、乗り換えの度に大きな荷物を運ぶのも面倒です。
乗り換えが面倒でも構わないからとにかく節約したいという、バックパッカー系の人向けのきっぷなんでしょうかね?
ともあれ「京都アクセスきっぷ」は2023年9月30日に発売終了してしまいました。もう使うことはできません。鉄道ファンの筆者にとっては、安くて色々な電車に乗れる楽しいきっぷだったので終了は残念です。
次は京都駅まで歩いた話です。