渋谷駅の《明日の神話》と夜の秋葉原散策 – 24年1月の東京旅行3

アイキャッチ画像(明日の神話) 国内旅行

この記事は、2024年1月の東京旅行part3。岡本太郎記念館の観覧を終え、渋谷駅にある彼の作品《明日の神話》を観に行きます。そのあと、秋葉原へ向かいます。

前回はこちら↓

メトロ24時間券で巡る、御徒町・南青山・岡本太郎記念館 - 24年1月の東京旅行2
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渋谷駅の《明日の神話》

さて、岡本太郎記念館を出て表参道駅に戻ってきました。

夜のメトロ出入口看板

東京メトロに乗り渋谷駅に向かいます。歩こうと思えば歩ける距離なのですが、乗り放題があるのでね。

なお、表参道駅には千代田線のほか、銀座線、半蔵門線も乗り入れています。全部東京メトロなので乗り放題対象ですね。

渋谷へ行くには銀座線と半蔵門線どちらに乗ってもOKです。隣の駅なのですぐ着きます。今回は半蔵門線を利用。

ただ、渋谷駅に到着するも、道に迷って《明日の神話》になかなかたどり着けませんでした。渋谷駅って数多くの路線が乗り入れていて複雑怪奇な構造。田舎民の筆者には難易度が高い……。

ウロウロしてやっと到着。場所はJR線と京王井の頭線の連絡通路(渋谷マークシティ内)で、無料で観られます。

渋谷駅の明日の神話

巨大壁画と言うだけあってかなり大きいですが、写真で見た印象ほど大きくはなかったですね。写真はレンズの焦点距離によって遠近感・スケール感が変わるので、肉眼で見た印象と違うことがよくあります。

上の階から眺めるとこんな感じ(↓)

上から観た明日の神話

《明日の神話》には、核爆弾が炸裂する瞬間の悲劇が描かれているそうです。確かによく観ると焼かれている人がいたりして怖い絵という印象を受けますね。

ただし、そのような悲惨な状況だけではなく、悲劇を乗り越え誇らしげに立ち上がる人間についても描かれているとのこと。死と生が同居している絵のようです。

この絵は元々、メキシコのホテルに展示するために描かれたとのこと。しかし、依頼者の経営状況が悪化したため未完成のまま放置され、長期間行方不明になっていました。

2003年にメキシコシティ郊外で発見され、後に日本に移送・修復。2008年からこちらに展示されています。

中央に描かれた骸骨はかなりのインパクトがありますが、これは「死者の日」を祝い骸骨を飾るメキシコの文化と関係があると言われています。

明日の神話の骸骨

メキシコには死は幸せであるべきという考えがあり、骸骨を不吉なものだとは考えないらしい。岡本太郎は「死は祭りだ」と語り葬式を嫌っていたそうなので、メキシコの思想と親和性がありそうです。

破壊と再生、死と生、悲しみと喜び。相反する要素が同時に存在しているということなのでしょうかね。

あと、記念館の企画展でも触れられていましたが、《明日の神話》は《太陽の塔》と同じ時期に制作され、対をなす作品と言われているそうです。

どういう点で対になっているか考察するのも面白いですね。

渋谷駅の明日の神話

銀座線で秋葉原へ移動

このあとは、渋谷駅周辺を少し歩いて景色を見てから秋葉原へ移動します。駅の外からも《明日の神話》の一部が見えました。

渋谷駅の外から少しだけ見える明日の神話

渋谷駅前には歌っている人や、コスプレみたいな衣装でビラを配っている人がいてカオスな感じでした。

次に銀座線ホームへ移動します。銀座線の渋谷駅に来たのは十年ぶりくらいだったので、すごく近代的というか未来的になっていてビックリ。

銀座線渋谷駅ホーム

天井の曲線がかっこいい!

ちなみに銀座線の車両は一般的な電車と異なり、線路の脇にある3本目のレールから電気を取るタイプ(第三軌条方式)。上に架線がないのも特徴ですね。

車両は新しくなっていますがサイズはコンパクトなまま。銀座線は昭和2年(1927年)に開業した日本初の地下鉄で、建設費を削減するためトンネルを小さくした結果、車両も小さくなったみたいです。

当時は今のように乗客も多くなかったので、小さい車両でも十分だったのでしょう。あと、銀座線は結構浅いところを走ってます。駅も浅いので、利用者にとっては階段が短くて済むのがありがたい。

さて、これから秋葉原へ向かうのですが、銀座線には秋葉原駅がありません。しかし秋葉原エリアへアクセスすることは可能です。末広町駅で下りれば電気街の北端あたりに出られます。

銀座線の車内

渋谷駅から末広町駅への所要時間は約24分。このルートは乗換がないのもメリットです。

今回は乗り放題の24時間券があるのでメトロにしたわけですが、そうじゃなくても意外にいいルートかもしれません。

JRで渋谷から秋葉原へ行こうと思ったら中央線快速経由が速いですが、乗り換えが複数回必要になりますし、乗り換え不要の山手線内回りだと約30分掛かります。

夜の秋葉原

末広町駅に到着。この駅から南側の秋葉原駅周辺までが「アキバ」として認識されているエリアです。

中央通りを南へ歩きます。末広町周辺のメインストリートには飲食店が多めです。電気街らしいディープな店は裏通りにありますが夜も遅いので今回はスルー。

アキバの夜景(飲食店などの看板)

秋葉原は年々電気街らしさが薄れ、マニア向けの店が減っているものの、PCパーツ専門ショップの「TSUKUMO eX.」は健在(↓)

アキバの夜景(ツクモ)

とはいえ、元々の九十九電機は民事再生手続きの申立てを行い、現在はヤマダ電機の店舗ブランドとして運営されているようです。

秋葉原は電気の街からアニメ・ゲームの街へと変わったとよく言われます。

ただ、現在の秋葉原はさらに変化して、アニメ・ゲームの街とも言い切れなくなっていると個人的には思います。

外国人観光客向けの店とコンセプトカフェが増えた結果、テーマがよくわからない街になっていると感じますね。電気街要素も完全に消えたわけでもないですし。このカオスさは、それはそれで面白いのですが。

新しくなったラジオ会館(↓)も今年(2024年)で10周年。時の流れが早くて怖い……。

アキバの夜景(ラジオ会館)

巨大な広告看板がありますが、ほとんどが海外産ソシャゲというのも時代を感じますね(↓)

アキバの夜景(ソシャゲの宣伝看板とビル)

それにしても、今の日本のソシャゲプレイヤーって、ゲームがどこ産かあまり気にしてない気がします。日本のオタク文化が海外まで広がり、萌え絵みたいなのが普通になりました。見かけでは国産との差がわからなくなったのもあるでしょうね。

オタク文化の広がりを喜ぶべきなのか、国産が弱くなったことを悲しむべきなのか……。

ところで、ネット通販が普及しPCパーツやアニメグッズなどが家で簡単に注文できるようになった結果、オタクはわざわざ秋葉原に来なくなったという説があります。

この説は概ね正しいと思いますが、マイナーなアニメグッズなどは意外とネット通販では探しにくかったりします。個人的に秋葉原の実店舗の存在はありがたい。

フィギュアの実物が見れるのもいいですね。写真と違うことが結構あるのでね。田舎だと実物を展示している店はほとんどないですし。

次に夕食の話。いつの間にか中央通りの「小諸そば」がなくなっていたのは悲しかったです。秋葉原に来たときはいつも食べていただけに残念。

諦めきれないのでマップで調べてちょっと離れたところにある店舗で食べました。

小諸そば

このあと秋葉原駅から日比谷線に乗って南千住の宿に戻りました。

おわりに

今回は「東京メトロ24時間券」を使い、御徒町、南青山、渋谷、秋葉原とそれぞれ特色のあるエリアを巡ってきましたが、こういう旅をすると東京が色々な顔を持っていることを実感できますね。

東京には見どころが多く、今回訪れたエリアに限定してもまだまだ訪問していない観光スポットが残っています。例えば岡本太郎記念館の近くには根津美術館があります。

東京には美術館・博物館など文化施設が多いので、次はどこに行こうかと悩んでしまいますよ。たくさんありすぎて選ぶのが大変。

あと、東京都心部の乗り放題きっぷは何種類かありますが、個人的には今回の「東京メトロ24時間券」が使いやすくて好きです。

値段が安い割に網羅している範囲が広いのが魅力。JRは山手線の内側エリアが手薄になりますし、都営地下鉄は東京メトロほど路線網が充実していません。

また、複数の鉄道会社で使えるフリーきっぷもありますが、値段が高くなり、しっかり計画を立てないと元を取るのが難しいです。

一方、「東京メトロ24時間券」は600円。初乗りの距離でも24時間以内に4回以上乗れば元が取れます。

これさえ買っておけば都心部の観光地の大半にアクセスできるので、東京観光の際には検討してみてください。

それと徹底的に節約して東京観光をするなら、24時間券を買って無料の施設を回るのがいいと思います。都庁の展望室など無料で楽しめる施設は意外と多いです。

公園もタダですし、拝観料無料の寺社仏閣を回れば出費はお賽銭だけで済みます。下町を歩くのも楽しいので工夫次第でお金を使わなくても観光できますよ。

次の記事で取り上げる「目黒寄生虫館」も基本無料で寄付をする方式。生き物が苦手でないならおすすめです。

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