徳島~室戸~高知を公共交通機関で巡る旅のパート6です。エリア内の鉄道、DMV、路線バスが乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ」を使っています。
徳島駅を出発し、JR牟岐線、阿佐海岸鉄道DMV、路線バスを乗り継ぎ高知県室戸市までやってきました。今回はむろと廃校水族館を観光します。

地理院地図を加工して作成
前回⇩

むろと廃校水族館
ジオパークセンターで借りた自転車で「むろと廃校水族館」に到着。

ここは廃校になった旧室戸市立椎名小学校を改装し、2018年に開館した水族館です。
次の写真は椎名小学校の名前を後世に伝える目新しい石碑

……だと思いきや、飲み物の自動販売機だったようです。あとで調べてわかりました。プランターまで並んでいるし自販機には見えなかった! カモフラージュが上手です。裏は通常の色の自販機らしい。
【外部サイト】むろと廃校水族館に、「石碑ラッピング自動販売機」が登場|ニュースリリース|ニュース|コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
階段で2階へ
ドアを入って正面の受付で入館料600円を払います。ここでは魚のぬいぐるみが当たるくじを引くこともできます。
主な展示は2階からなので少し歩いて階段を登ります。階段の手前では人体模型が迎えてくれます。

このあたりの風景は学校そのもの。

壁に貼られているのは至って普通の習字の作品に見えますが、実はイカスミで書かれているそうです。元日に訪れた小学生はイカスミを使った書き初めができるらしい。
階段を上がったところにはユニークな魚の指名手配ポスター「重要魚名手配」が貼られています。

なお、隣には本物の(人間の)指名手配ポスターも貼られていました。
手洗い場と教室
2階に登るとまず現れるのが手洗い場を水槽にしたタッチプール。生きている貝や海老に触れます。



廊下に置かれた跳び箱もよく見ると改造されて水槽になっていました。中にはアカハライモリがいます。

その名の通り腹は赤っぽい色。

教室の様子がそのまま再現されているエリアもあります。水に住む生き物だけでなく、昔ながらの小学校の建物や備品を見て楽しむこともできます。

昔の地図の鉄道路線
ここで筆者は、壁に貼られている昔の地図に目を引かれました。当時開業済みの鉄道路線だけでなく建設計画も書かれており、歴史の資料として興味深いです。阿佐線の計画ルートもしっかり破線で書き込まれています。

まだ牟岐線が牟岐駅までしか開業していないので、海部まで開業した1973年(昭和48年)より前の地図のようです。
阿佐線は徳島県側が甲浦駅まで、高知県側が奈半利駅まで開業したものの、甲浦~奈半利は計画自体が消滅したため、地図に書かれていた破線は幻と消えました。ちなみに今回の旅では阿佐線の開業済み区間すべてに乗ります。
高知県西部も面白い。中村線が土佐佐賀駅まで国鉄路線として開業しているものの、予土線の東側(江川崎~川奥信号場~若井)は当時、未開通だったようです。

さらに、土佐佐賀から出ている破線は宿毛(すくも)で終わらず海沿いに進んで宇和島までつながっています。現在、宿毛線は宿毛~中村のみが開業していますが、当初は宇和島~宿毛~中村をつなぐ予定だったようです。
国鉄再建法により、阿佐線と同じく工事が凍結されましたが、後に宿毛~中村の区間のみ第三セクターが引き受けるという条件で工事を再開し開業しました。
ただ、宿毛線の開業済み区間は、減便が進み特急もほとんど来なくなっている状況。なんとも残念です。宇和島~宿毛は今後も建設されることはないでしょう。
なお、無料の高速道路(正確には自動車専用道路)は、宇和島~宿毛の区間も作ることが決まっていて、一部はすでに開通しています。
この他にも、地図上には鉄道好きにとってたまらない箇所があちこちにありましたが、本題から外れるので魚の話に戻します。
水槽エリア
教室を再現したエリアから奥へ進むと、壁沿いに水槽が並び、中央にウミガメなどの大きな水槽があるエリアになります。いろいろな種類の魚がいて全部は紹介できないので、特に印象に残った魚に絞って取り上げます。
海に進出したナマズの仲間のゴンズイ。「ゴンズイ玉」と呼ばれる大きな群れを作るらしい。

ハナミノカサゴ。ミノカサゴに似ていますが、尾びれの黒い点がたくさんある点などで見分けられるとのこと。

ウミガメ。水槽の底で大人しくしていました。

ウミガメは頭や手足を甲羅に引っ込めることができないため、寝るときは岩穴などに頭を突っ込んで頭を守ったり、寝ている間に流されないようにしているそうです。
ダイナンウミヘビ。砂に埋まっていて頭だけが見えていますが、体はかなり長いらしい。

ボラ。エサやりができます。エサはガチャガチャの機械で購入。

水槽の上からエサを撒くと、ブワーッと集まってきて我先にと食べるのが面白い!

エイ。お腹に顔があるみたいに見えますが、目のような部分は実際には呼吸の穴だそうです。鼻に相当する部分ということ。

海洋ゴミの展示も。水の中で浮いているので生々しい。クラゲと誤認して食べてしまうのも納得。色々考えさせられます。

ウミガメに絡まっていた餌木(釣りの仕掛け)

シーグラス。海に捨てられたガラスの破片が、波や砂に長い間もまれて角が丸くなったもの。

3階へ
2階は水槽の生きた水生生物の展示がメインでしたが、3階は標本や剥製など乾いた展示が多くなります(水槽もあります)
壁にはたくさんのウミガメの剥製が展示されていました。

この水族館を運営しているのがウミガメの研究・保護をしている団体ということもあり、地元の方々から寄贈されたとのこと。ウミガメの剥製は漁師の間で、縁起物やお祝い事の品として扱われていたそうです。
室戸骨博2025
このときは理科室で、企画展「室戸骨博(ぼんぱく)2025」が開催されていました。

同年開催の大阪・関西万博を意識した名前と見て間違いなさそうです。骨は英語で「bone」なので「骨博」→「bone博」→「ぼんぱく」ということらしい。
ダジャレみたい(そのもの?)な名前ですが、展示内容は真面目で本格的なものでした。他ではなかなか見られないような、珍しい骨の標本が数多く展示されていました。
ハコフグは骨も箱型になっています。

ウニの殻は板状の骨の破片が組み合わさってできています。

エイがこれほど大量の細かい骨によって構成されているとは知りませんでした。

水生生物を見ても中身の構造まで考えたことはなかったし、特にエイのような柔らかそうな生き物にこんなしっかりとした骨が入っているというイメージはなかった。すごく勉強になりました。
あと、水槽に鮎がいたのが驚きでした。繊細そうな魚ですが、水槽で飼育することも可能なんですね。

調べてみたところ、やっぱり一般の人が家庭で飼うのは難しいようです。温度、水流、水質などを厳密に管理する必要があるらしい。

廊下にも水槽や標本があります。

屋外プール水槽
登ったのとは別の階段で2階へ下ります。2階には直接屋外のプール水槽へ行ける外階段が設置されています。

悠々と泳いでいるシュモクザメたち。

ウミガメもいました。


ここが最後の展示で、プールサイドに出口があります。
ユーモアと遊び心にあふれた、面白い水族館でした。大満足です。一般的な水族館ではあまり見かけない種類の魚たちに会えたし、昔ながらの学校の雰囲気を楽しむこともできました。
ジオパークセンターに戻る
ちょうどプール水槽を見終わる頃に雨が降り始めました。

まあまあ強く降るので駐車場の大きな東屋で雨宿り。小降りになってから自転車でジオパークセンターに戻りました。
自転車を返却する際、窓口の人から、室戸岬まで自転車で行くのはどうかと勧められました。室戸岬の観光案内所で返却することもできるそうです。
ただ、また雨が強くなる心配があり、気温も高いので遠慮しておきました。「55フリーきっぷ」があるのでバスも乗り放題ですし。

気候がいい時期なら海沿いを自転車で走って行くのも楽しそうですね。
次回は室戸青年大師像、御厨人窟(みくろど)、室戸岬遊歩道などを訪れた後、バスと土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線を乗り継いで高知駅へ向かいます。
