道の駅東洋町から室戸へ!太平洋を望む国道55号を路線バスで南下|徳島~室戸~高知の旅⑤

徳島~室戸~高知を公共交通機関で巡る旅のパート5です。エリア内の鉄道、DMV、路線バスが乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ」を使います。

徳島駅を出発しJR牟岐線で阿波海南駅へ。阿佐海岸鉄道DMVに乗り換え、鉄道モードで阿佐東線を走ったあと、バスモードで海の駅東洋町バス停までやってきました。

今回は道の駅東洋町で朝食を済ませたあと、高知東部交通の路線バスに約40分乗って室戸世界ジオパークセンターへ。そこで自転車を借りて「むろと廃校水族館」まで引き返した様子をお届けします。

徳島から室戸を経由して高知までの図。海の駅東洋町からジオパークセンターが水色の線

地理院地図を加工して作成

なお、旅をしたのは2025年8月上旬です。前回の記事はこちら⇩

阿佐海岸鉄道DMVに乗車!阿波海南から海の駅東洋町へ|徳島~室戸~高知の旅④
徳島~室戸~高知を公共交通機関で巡る旅のパート4です。エリア内の鉄道、DMV、路線バスが乗り放題の「徳島・室戸・高知55フリーきっぷ」を使います。徳島駅を出発しJR牟岐線でひたすら南下して、終点の阿波海南駅に到着しました。ここから、線路と道...

道の駅東洋町でバスを待つ

海の駅東洋町のバス停看板

DMVが海の駅東洋町バス停に到着したのは8時35分。次に乗る高知東部交通の路線バスが出るまで1時間弱あります。今日はまだ何も食べていないので、ここで朝食を買って時間を潰すことにしました。

道の駅東洋町の建物外観

とはいえ、直売所のオープンは9時ちょうど。まだ準備中です。並ぶ場合は写真(⇩)の入口ではなく、右の方にあるレストラン側の入口に並ぶようにという案内が貼ってありました。

道の駅東洋町の看板と出入り口

「道の駅」と「海の駅」

なお、この施設の現在の正式名称は「の駅東洋町」だそうです。

元々は「の駅東洋町」という名前でしたが、2024年に道の駅として登録されたため改名したようです。上の写真の、サーフボード型看板の表記も改められています。

道路標識などの表記も変更されていますが、バス停の名前は「の駅東洋町」のまま残っているのでややこしい。

ただ「海の駅」という名前も、立地や特徴を表していて良い名前だと思いますけどね。ありきたりじゃなく、見た人が「ん?」となるフックがあるのもいい。このまま消えるのはもったいないので、紛らわしくてもバス停の名前としては残ってほしいかも……。

直売所で朝食を購入

周囲を散策して開店を待ちます。8時台ですが、もう海で遊んでいる人が多数。駐車場を見ると京阪神ナンバーの車も割といます。泊まりじゃないとするとかなり早起きですね。

海の駅東洋町付近の砂浜

開店直前には直売所の扉の前に大行列ができていました。レストランも同じく9時開始です。

開店直後の店内は大混雑。売り場には、地元で取れた新鮮な魚介類や農産物だけでなく、パンや弁当、惣菜、お菓子なども並んでいます。

何でもありますね。とにかく品揃えが豊富でした。遠方から、はるばる訪れる人がいるのも納得です。店内では関西弁も聞こえてきました。

筆者は朝食に「鰻めし」と「まぐろフライ」を購入。うなぎとマグロでこのお値段はお得感があります。

道の駅東洋町で購入した鰻めしとまぐろフライ

外のテーブルで食べました。とんかつソースが合いますね。うまし!

バス停の方を見ていると、「徳島バス南部」の薄紫色の路線バスが入ってきました。

道の駅東洋町の外の椅子から見た徳島バス南部の車両

小さめの車両ですね。DMVと比べてもそこまで定員は多くなさそう。牟岐と、ここ(海の駅東洋町)を結ぶ路線のようです。

バス乗り場と時刻表

室戸方面へのバスが出る9時33分までは、まだ少し時間があります。だんだん暑くなってきました。曇っているとはいえ8月なので午後に向けてじわじわ気温が上がります。

バス停前には一般車両が入らないよう、オレンジ色のマーキングがされていました。しっかりDMVもアピール?

海の駅東洋町バス停前のDMV・バス専用エリア

このあと乗る、高知東部交通のバス時刻表(R7(2025年)3月改正)を見てみましょう⇩

海の駅東洋町のバス時刻表(高知東部交通)

一見すると本数が多いように見えますが、実際には反対方向の「甲浦岸壁」行きが一緒に載っているので多く見えるだけ。「室戸世界ジオパークセンター」方面だけを見ると2~3時間に1本と、極めて少ないです。

しばらく待っていると、普通の路線バスという感じの車両が入ってきました。これが高知東部交通の「室戸営業所」行きです。

車両は先ほどの徳島バス南部のものと比べると大きく、都市部で走っている一般的なサイズのバスですね。

道の駅東洋町に入ってくる高知東部交通の路線バス

路線バスでジオパークセンターへ

道の駅東洋町に入ってくる高知東部交通のバス正面

「室戸営業所」行きバスに乗り込みます。

道の駅東洋町のバス停に止まる高知東部交通の路線バス

大きめの車両ですが乗客は筆者含めて数人でした。

高知東部交通の路線バス車内

まあまあ年季が入っていそうな車両。落ち着いた色合いの内装がいい!

高知東部交通の路線バス の座席

シートピッチは見ての通り狭めです。

海の駅東洋町バス停を出発!そこそこ長い路線バスの旅が始まります。

海の駅東洋町バス停にいる路線バス内からの車窓風景

「徳島県境1.5km」の標識⇩からもわかるように、東洋町は高知県の東端にあります。

道の駅東洋町を出たところの道沿いの標識

道の駅(海の駅)を出たバスは、DMVで走ってきたルートを数百メートルだけ引き返しますが、旧甲浦駅方面への交差点で曲がらず、国道55号を道なりに進みます。

すぐに海岸線に沿って大きく左にカーブするので、道の駅やビーチを反対側から見ることができます。

高知東部交通のバスから道の駅東洋町の方を振り返った車窓

このあとは海沿いに国道55号をひたすら南下します。地図を見てわかるように、現在室戸方面へはこれしか道がありません。

海の駅東洋町から室戸世界ジオパークセンターまでの地図

地理院地図を加工して作成

山が海の近くまで迫っている地形のため、道路は海岸線に沿うように建設されています。ほとんどの区間で海が見え、海の際ギリギリを通っている区間もあります。車窓風景は極めて良好です。

岩がゴロゴロしていたり、島が見えたり。

国道55号線東洋町の車窓の海と岩と島

入江なのか、小さな川の河口なのかわからない不思議な場所もありました。

国道55号線東洋町の車窓の海と河口のような景色

ここまで南下してくると、自然がワイルドになったような感じがします。岩や生えている植物に、エネルギーが満ち満ちている印象を受けます。

東洋町の国道55号線からみたワイルドな植物

野根と鉄道・道路計画

バスは野根(のね)というエリアまでやってきました。次のバス停は野根中通。

野根付近を走る路線バス車内

野根には比較的広めの平地があり、住宅が立ち並んでいますが、ここを過ぎるといよいよ山が海に迫り、平地はほとんどなくなります。

野根付近の航空写真

地理院地図より

国鉄阿佐線の徳島側、いわゆる阿佐東線は、野根まで工事の認可が下りていたものの、国鉄再建法により工事は中断され、先ほど訪れた甲浦が終点になりました。

野根より先は詳細なルートも未定だったようです。鉄道がもし開通していた場合、野根~室戸間は大半がトンネルになっていたでしょう。国道に加えて鉄道を通せるような地上スペースはどう見てもありません。

ちなみに、徳島と高知を海沿いに結ぶ高規格道路の「阿南安芸自動車道」は、室戸へは行かず、野根付近から室戸半島を横切って一気に奈半利に抜けるルートで計画されています。奈半利側は一部開業済みです。

国道493号が室戸半島を横切っていることがわかる地図

また、野根から奈半利へ抜けている既存の国道493号は、一見すると安芸や高知方面へのショートカットルートに見えますが、道幅が狭くカーブだらけなので速度が出せず、55号と比べ時間短縮効果はほとんどありません。

すれ違い困難の区間も長く、ところどころに退避所が設置されている、いわゆる「酷道」です。

国道493号の山間部のグネグネした道の地図

太平洋と夫婦岩

野根から先はずっと海岸線を走るため、視界を遮るものがほとんどありません。

国道55号線から見た太平洋と砂地と曇り空

左手にはどこまでも太平洋が広がります。

国道55号線から見た太平洋の波打ち際

この日は曇っていたのが少々残念でした。天気が良ければもっと鮮やかな太平洋の眺めを楽しめます。

バスは自家用車より視点が高いので見晴らしがいいです。本数が少ないのは難点ですが、景色の見やすさを考えると、あえてバスで来るのも悪くないかも。

お遍路さんが歩いている姿も目にしました。このあたりは八十八ヶ所の札所がまったくない区間でもあります。

前々回の記事で触れた、日和佐駅の近くにある第23番札所「薬王寺」の次は、室戸岬にある第24番札所「最御崎寺(ほつみさきじ)」まで約75km離れています。

この区間には、お店や休憩場所が少ないだけでなく、海沿いの開けた道のため日陰も少ないです。特に天気の良い日は大変そうですね。厳しい道だからこそ修行の意味があるのかもしれないですが。

空海は8世紀末ごろに修行で室戸岬へ向かいましたが、当時は国道55号がないのはもちろん、このあたりには道らしき道は通っていなかったようです。

なお、空海が通った具体的な経路の記録は残っていないらしい。本人の書いた本によると室戸岬で修行をしたことは確かなようですが、そこへ至る経路にはいくつかの説があるようです。海岸線を岩をよじ登りつつ進んだのか、あるいは山中を通ったのか……。

海岸線の道は、江戸時代に徳島藩によって土佐浜街道として整備され、戦後に国道になってからも段階的に改良が行われ、昭和後期にやっと2車線の快適な道になったそうです。

野根から約20km、乗車時間にして20分少々進むと、海中からそびえ立つ大きな岩が見えてきます。

国道55号線沿いの夫婦岩を遠くから見た様子

佐喜浜町と室戸岬町の境の鹿岡鼻(かぶかはな)にある夫婦岩です。しめ縄でつながっています。長い年月をかけた風化によって現在の姿になったらしい。

国道55号線沿いの夫婦岩を近くから見た様子

この付近には「夫婦岩」バス停があるので、下りて見ることも可能です。ただ、バスは本数が少なく次の便まで2時間~3時間程度待つことになるため、自家用車で訪れるか、ジオパークセンターの自転車を利用するのが効率的だと思います。

まだまだ車窓は太平洋。曇っているものの波は穏やかでした。

国道55号線から見た太平洋と曇り空

海の駅東洋町を出てから30分ちょっとですが、足元が狭くてだんだんつらくなってきました。

これは普通の路線バス用車両。高速バスや観光バスの車両とは異なり、短時間乗車が前提のため、詰め込み仕様になっています。シートピッチが狭いのは仕方ないですね。走らせてくれているだけで感謝です。

水族館では下りずジオパークセンターへ

バスは夫婦岩を通り過ぎ、約5分走って「むろと廃校水族館」バス停へ到着。水族館は小学校の廃校舎を利用しており、海沿いの国道から少し山側へ入ったところにあります。

むろと廃校水族館の駐車場と元校舎の一部

今日はここを観光する予定ですが、今は下りません。さらに5分くらい乗って「室戸世界ジオパークセンター」バス停で下車しました。

室戸世界ジオパークセンターバス停に停車中のバス2台

ここでは、室戸岬を経由して奈半利駅や安芸駅へ向かうバスに乗り継ぎができます。

現金で支払う場合は、下車時に運転手から「乗継割引券」を貰うと、乗り継ぎ後のバスで最大300円の割引を受けられます。

まあ、今回は乗り放題の「55フリーきっぷ」を使っているので関係ないですが……。

ここから先、室戸岬方面はバスの本数が増え、1時間に1本以上走っているので利用しやすいです。

自転車で廃校水族館へ

室戸世界ジオパークセンターの入口

ジオパークセンターに入り、コインロッカー(返却式)に荷物を預けてから、自転車を借りました。

クロスバイクとジオパークセンターの看板

一般自転車・クロスバイクは1,000円/日、電動アシスト付き自転車は1,500円/日(※2025年8月時点)

先ほどバスで走った国道55号を引き返し、10分少々で廃校水族館に着きました。

むろと廃校水族館の駐車場と旧校舎

このあたりの55号は交通量が少なく走りやすい。特にきつい坂もなかったです。ただし時々現れる速い車には注意。

自転車のメリット

わざわざ自転車で引き返したのは時間の有効活用のためです。海の駅東洋町~ジオパークセンターの区間はバスの本数が極めて少なくなっています。

もし先程のバスを水族館で下り、1時間かけて展示を見た場合、次のバスまで2時間ほど待たなければなりません。廃校水族館からジオパークセンターは歩くには遠いです。

タクシーを使うという方法もありますが、高く付きそうだったのでやめました。室戸周辺には小規模なタクシー会社しかなく、水族館から営業所までの距離も遠いので、呼んですぐ来てくれるかどうかも不明です。

ただし、複数人ならタクシーのほうが割安かもしれません。シェアサイクルは必ず1日分課金されるので短時間利用だと割高感があります。

また、廃校水族館から夫婦岩までの距離は、ジオパークセンターから廃校水族館までと同じくらいです。自転車なら10分少々の距離なので、ついでに寄ることも可能です。

廃校水族館の看板と自転車

今回はここまで。次回は廃校水族館のほか、室戸青年大師像、御厨人窟(みくろど)を巡った様子をお届けします。

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